『勝利の笑みを君と』
夏の期間、僕は自分自身に「なぜサッカーをするのか」という問いを投げかけた。答えは言うまでもなく、サッカーが好きだからだ。ではなぜ好きなのか。自分のサッカーを始めた理由や、これまでの経験を振り返ったとき、ひとつのことに気づいた。――それは、サッカーは団結力を必要とするスポーツだからこそ、自分は惹かれてきたのだということだ。
団結力やチーム力があれば、技術的には劣るチームでも強豪を打ち破れる。これまで何度も、下馬評を覆して勝利をつかんだチームを目にしてきた。僕がサッカーに心を奪われたのは、まさに「団結力があればジャイアントキリングを起こせる」という点にある。次は僕たちの番だ。
これまで僕たちは、走り込みや筋トレだけでなく、挨拶や清掃活動などを通じて人間力を磨き、選手権で勝てるように努力してきた。
しかし正直現時点では確実にジャイアントキリングを起こせると自信を持って言えない自分がいる。その理由は、まだ個々の間で熱量の差があり、100%チームとして同じ方向を向けていないと思うからだ。先生がおっしゃっていたように、選手権で勝つために必要なのは「選手層の厚さ」と「気持ち」である。この「気持ち」の部分で、僕たちははまだまだ成長できる。
サッカーは11人でするスポーツだ。しかし勝敗を決めるのはピッチに立つ11人だけではない。チーム全員が同じ目標に向かって、熱い想いを持っているかどうかだ。AチームかBチームかとか、学年が上か下かは一切関係ない。全員が同じ方向を向いたとき、初めて本当の団結力が生まれる。
選手権まで残された時間は多くない。しかし、気持ちの面は今日からでも変えられる。全員で選手権に向けて心を一つにしよう。私立強豪に勝つという目標にもっとこだわろう。それができれば、高い壁であってもどんな敵であっても乗り超え、勝利を掴むチームになれる。そうなればもう何も恐れることはない。
僕はこんなにも本気でサッカーに向き合える仲間と出会えたことを誇りに思う。本気でサッカーができる環境に感謝している。そしてこれまでのサッカー人生すべてを懸けて、仲間とともに勝利を目指す。
3年プレイヤーY
掲載:顧問佐藤