今朝も昨日に引き続き眩しい朝陽の中、本日最初の訪問場所であるフィンランド教育文化省に出発しました。
ここでは主に質疑応答形式で、我々がもつ疑問に担当官が一つ一つ丁寧に答えてくれました。
これまでの視察で、小中学校(フィンランドで言われる基礎教育段階)では、子どもの間で学力格差ができないように、教育の機会均等という方針のもと、特に学力に課題のある子どもの指導に国として大きな力を注いでいますが、その一方で、学力の高い生徒の力を一層伸ばすような、習熟度別授業の実施等の取組みは組織的には行っていないということも分かりました。また、国による学力調査は行っていないそうです。
昨今フィンランドにおいても英語教育が教育の中心となりつつあり、小学校3年生から英語の授業が始まっています。学校では英語以外の外国語も選択科目として設定されていますが、実際には99%の子どもが英語を選択するそうです。しかし、国内の大学の学費が無料のため、英語が堪能な高校生でも、敢えて海外の大学に進学しようとする生徒は少ないという話でした。
最後に、今回のPISA調査の結果が今まで比較して良くなかった原因として、情報化社会が進む中、フィンランドにおいて学校の権威が落ちてきたことが挙げられ、今後いかに教育環境を整備していくかが大きな課題であるとの担当官からの発言がありました。
(大阪府教育センター 教育課程開発部長 蛭田勲)