「いじめ防止対応研修(第2回)第3分科会」として、「いじめを予防する学級集団づくり~子どもたちにラブレターを書こう~」のタイトルで、6月26日、神戸親和女子大学の新保真紀子教授にご講演いただきました。
日本のいじめの特徴として、次の点を挙げられました。
◇同一集団の中で起きている
◇思春期のいじめは深刻
◇風向きが変わるように加害者や被害者が入れ替わっている
◇いじめの構図は複層的で傍観者には無関心層と良心的な層がある
◇自尊感情の低い子は、『他のことでいらいらしていたから』『友だちがいじめているから何となく』をいじめた理由としている
◇自尊感情の低いいじめ被害者が、誰にも相談せずに一人で抱え込む状況はリスキーである
また、いじめの被害者から相談を受けたとき「いじめ被害者に届く声は」について、グループで意見交流をしました。
後半は、いじめを予防するための「いじめが起きない学級集団づくり」について、次のポイント等で整理されました。
◇安全のフレームづくり
◇教職員の立ち位置と子ども理解
◇自尊感情は人間関係の中で育まれる
◇『意味のある他者』からの肯定的な態度・包み込まれ感
◇感情のリテラシーを育てる
◇『つなぐ』ための戦略とアイテム
「いまどんなきもち?」を活用した感情のワークの記述から、子どもの心をどう読み解くかの具体的なお話や、生活ノートを活用した教師からのラブレター(コメント記入)の具体的な記述についてなどを話していただきました。
最後は、長期的ないじめ予防プログラム(子どものエンパワメントプログラム)についても触れられ、
「ゴールは、すべての子どもたちの
エンパワメントと、集団のつながりの深化」
という言葉で締めくくられました。
(人権教育研究室)