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新規採用養護教諭研修(第7回)-児童生徒が学校生活によりよく適応していけるように支援すること-

 8月21日(金)大阪府教育センターにて感染予防策をとりつつ初任者・新規採用者研修として今年度初めて新規採用養護教諭研修(第7回)を実施しました。

 近年、グローバル化や情報化の急速な進展により、社会が大きく変化するなかで、児童生徒を取巻く状況の変化や多様化・複雑化した課題への対応が求められています。

 とりわけ、養護教諭は児童生徒の健康相談において身体的な不調の背景にあるいじめや不登校、虐待等に加え感染症拡大に伴う日常生活の制約といったサインに気づくことができる立場にあり、大きな役割を担っています。

 また、養護教諭の行う健康相談は、単に児童生徒の健康管理に留まらず、教諭とは異なる専門性に基づき、自己解決能力を育む等の児童生徒の健全な発育発達に果たす役割が大きな位置を占めています。

 そこで今回は『教職員のメンタルヘルス』と、具体的事例を題材にした『健康相談・アセスメント』といった初任者が実践に活用しやすいテーマとしました。

 まず、「教職員のメンタルヘルス」をテーマにした講義では、なにわ生野病院の大阪メンタルヘルス総合センター 藤本臨床心理士より、「職場のメンタルヘルスとは」に始まり、ストレスの要因や養護教諭をはじめとする支援者が陥りがちな点、ストレスとうまくつきあうコツをコロナ対応に関連づけて、分かりやすくご教示いただきました。

 受講者からは「まず、自分自身のストレスをうまくコントロールしていくと同時に、児童生徒や教職員にもストレスに対応するコツを積極的に発信していきたい。」等、養護教諭として児童生徒に対してはもちろんのこと、教職員に対して、また何よりも自分自身のためのストレスコーピング(上手にストレスに対処する方法)の大切さを踏まえた感想が多くありました。

 後半の「養護教諭が行う健康相談 -事例を通したアセスメント-」では、教育現場で活躍している指導養護教諭6名のみなさんから講義と具体的事例をもとにした指導助言を通して理解を深めました。

 講義では、「健康相談の法的な位置づけ」、「養護教諭の職務」、「保健室の機能」等、養護教諭として確認しておくべき事項をはじめ、教育相談を学校組織として有効に行うための校内体制づくりや支援検討会の持ち方等についてお話いただきました。

 そのあと、グループに分かれて、具体的事例を題材にした演習や応用演習を通して、養護教諭として『気づく(問題の感知)』→『見極める(症状の観察・分析、身体症状の的確な判断等)』→『関わる(継続相談等)』→『連携』サイクルをうまく機能させるために、何ができるのかという観点で活発な協議を行いました。

 受講者からは「養護教諭の『気づき』が児童生徒の心身の健康を守ることにつながるということ、SOSを出すことのできる児童生徒に育てるための環境を整えていくことの大切さを具体的に学ぶことができた。」、「研修を通して、改めて養護教諭の役割の重要性を感じた。何より同期の皆と情報を共有したり、共感できたりしたことがとても嬉しく、心細く感じていた部分が少し解消された。」。また、「指導養護教諭の指導助言もあり、実践的な意義深い研修だった。」、「先輩の養護教諭の話を聞き、日々忙しい日常の中で、児童生徒のSOSや変化を見逃してはいないだろうかと毎日の自身の行動を振り返ることができた。専門職である養護教諭は、たくさんの人と連携し情報共有をしなければならないと感じた。」、「明日からの健康相談、保健室経営で得た知識を活用していきたい。」、「校内外問わず連携におけるコーディネーターの役割を意識することができた。」等、日々の業務と関連づけた具体的な感想が多くありました。

 本研修で学んだことを、今後、それぞれの学校での実践にぜひ活かしてもらえればと思います。皆さんの今後の活躍を期待しています。

(企画室)

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