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視覚障がいのある子どもの学びの充実をめざして(支援教育推進室)

 令和2年9月3日(木)、視覚障がいのある子どもの教育に関する知識や技能を深め、実践的な指導力を高めることを目的に、「支援教育実践研修A(視覚障がいに関する内容)」を実施しました。支援教育推進室が担当する研修では、今年度初めてとなる参集型研修です。前半は府立大阪北視覚支援学校の渡邊史子指導教諭から「視覚障がいのある子どもの理解及び指導の実際」をテーマにご講義いただき、後半は日本ライトハウス情報文化センターから奥野真理さんと原田美貴さんを講師としてお招きし「支援と機器」をテーマに講義と演習を行っていただきました。

 今回は、その研修の様子についてご紹介します。

 渡邊史子指導教諭には、「見えない、見えにくいことの理解」、「学習上配慮すべき点」、「教材、補助具等」の3点を中心にお話いただきました。スライドを使って、見えの状態をわかりやすいイメージで紹介していただき、様々な見え方、見えにくさがあることを学びました。また、文字の大きさだけでなく、文字の色、字体や背景の色などへの配慮も必要であることを教えていただきました。普段のテストの問題作成においても、問題文を「次の中から選びなさい」ではなく「次のア~オの中から選びなさい」と選択肢を明確に表記することで視覚障がいのある児童生徒にとっては、解答する際に感じる困難さを軽減できるといった、細やかな配慮による気付きの大切さについてご教示いただきました。

  奥野真理さんと原田美貴さんには、白杖やさまざまなルーペを紹介していただきました。一人ひとりの見え方に応じて、種類も機能も驚くほど豊富です。最近ではICT技術の発達により、眼鏡についている超小型カメラで撮影した映像を眼鏡のレンズの内側に映し出し、明度を自動調整することで、暗い環境でも見えやすくなる高機能のものが紹介されると会場から驚きの声が上がりました。またiPadのアクセシビリティ機能の設定の仕方を教えていただき、実際にiPadを使用し、体験することで機能を確認しました。iPadにはアクセシビリティ機能が標準装備されており、画面のズーム機能や、速度調整も可能なテキストの読み上げ機能など、障がいによる困難さを補う高い機能があります。皆さんもスマートフォンやタブレットをお持ちでしたら、ぜひ体験してみてください。

 最後に視覚障がいのある方にとって、言葉によるていねいな説明が、必要不可欠なコミュニケーション手段となっていることを教えていただき、実際に具体的な場面を設定しどのような言葉で説明すれば、コミュニケーションが図れるのか指導いただきました。

 この研修で得た新たな気づきを、ぜひ教育現場で実践してくださることを期待しています。

(支援教育推進室)

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