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「訂正すべき誤り、訂正すべきでない誤りとは?-第二言語習得の見地からの効果的な文法指導-」( Practical English Teaching Seminar C )

 9月11日(金)、Practical English Teaching Seminar Cを行いました。

 Practical English Teaching Seminar(通称「PETS」ペッツ)は、「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やりとり)」「話すこと(発表)」「書くこと」の5つの領域にわたる生徒の総合的なコミュニケーション能力を育成するための指導法について学ぶことを目的とした研修です。「第二言語習得」をテーマとする研修Cのほか、「文法指導(研修A)」、「音読・暗唱(研修B)」、「ディベート(研修D)」をテーマとする研修を予定しています。

 

 今回は、静岡大学の白畑知彦教授をお招きし、「効果的な誤りの訂正-第二言語習得の見地からの効果的な文法指導-」というテーマでご指導いただきました。

 研修の前半では、人はどのようにして第二言語を習得していくのかということについて、基本的な考え方を学びました。学習者である生徒は必ずしも教科書に出てくる順番どおりに第二言語である英語を習得するわけではないこと、また英語に相当熟達した人であっても習得困難な文法項目があることなど、第二言語習得の特性を確認しました。

 その上で学習者が陥りがちな学習方法の誤りにどう対処するかという観点から、

①「肯定証拠の活用(教科書の例文など、正しいインプットを与える)」

②「否定証拠の活用(学習者のよく間違える誤りを提示する)」

③「明示的指導の活用(意識的に、文法項目の形式と意味を教えること)」

という3つの方法を、具体例を示しながら教えてくださいました。

 特に、「学習者の誤りに対して、文構造そのものを変えてしまうような訂正はするべきではない」というお話は、受講者にとって、新たな気付きだったのではないでしょうか。学習者の産出するすべての誤りに修正を施す指導法は、教師の労力の割に効果が期待できません。指導項目を絞って、学習者の気付きを促すことが重要とのことでした。

 

 研修の後半では、受講者が授業で使用している教科書を使って、文法指導の方法について意見交流を行いました。前半の講義をふまえ、具体的にどのように指導すると良いのかについて、受講者どうしが率直に意見交換することで理解を深めました。

 白畑教授からは、「文法項目によって指導方法を変えることが大切であり、説明よりもタスク活動に時間を割いたほうがいいものもある。」など、効果的な文法指導について具体例を示しながらアドバイスをいただきました。

 指導項目を精選し、必要な部分のみ誤りを訂正する、時には生徒の誤りに寛容になるといった、学習者である生徒の自主性を引き出す効果的な指導方法は、さっそく明日からの授業にも生かせることでしょう。

 本研修は、今後、11月2日(月)にPETS A、16日(月)にPETS B、24日(火)にPETS Dが予定されています。受講を希望する高等学校または支援学校(高等部)の英語担当教員は、管理職を通じて大阪府教育センター高等学校教育推進室までご連絡ください。積極的な参加をお待ちしています!

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