「子どもに付けたい力」を見極める

 国語の授業づくりに関する指導力の向上をめざした「小学校『国語』授業づくり研修」を、10月5日(月)に大阪府教育センターで実施しました。

 京都女子大学の 水戸部 修治 教授をお招きし、前半は「言語活動を通して資質・能力を育成することをめざした国語科の授業づくり」というテーマで講演していただきました。

 小学校3年生の文学的文章を用いた実践の様子を動画で紹介していただきました。子どもたちが、お話を読み、「大好きな登場人物について、友だちや4年生に紹介する」という内容の授業動画で、自分が大好きな登場人物について、子どもたちが表情を輝かせながら、知りうる限りの言葉を使って語っている熱気あふれる授業の様子が伝わるものでした。

 水戸部教授からは、「カードに登場人物の気持ちや性格などを書いて紹介する」という言語活動は、「『登場人物の気持ちの変化や性格、情景について、場面の移り変わりと結び付けて具体的に想像すること』という力」を付けるために有効であり、効果的に身に付けさせるには、子どもの「大好き」という思いを大切にして、登場人物を紹介させることが授業づくりのポイントであるというお話をいただきました。

 後半は、水戸部教授のご講演をふまえ、「『文章を読んで理解したことに基づいて、自分の考えをまとめること』という力」をいかに子どもに身に付けさせるかをテーマにワークを実施しました。「物語を読んで、興味をもったところを友だちに紹介する」という授業を想定し、受講者には子どもになったつもりで紹介文を書いてもらいました。受講者はワークを通して、どのような文章を書ければ力がついたと言えるのだろうかということをお互いに議論しながら理解を深めました。

 受講者からは、「言語活動を通して子どもにどのような力を付けたいかという明確な目標をたて具体的な授業づくりを計画することが大切だと分かりました。」、「今日の研修で学んだ、児童のやってみたい、伝えたいと思う主体性を引き出す方法を、研究通信で校内にも広めていこうと思います。」などの感想が寄せられました。

 受講者が今日の研修での学びを生かし、それぞれの教育現場において「子どもに付けたい力」を明確にした授業づくりに取り組んでほしいと思います。

 なお、今回ご講演いただいた水戸部教授には、今年度、Web開催する大阪府教育センターフォーラムの分科会でも、小学校授業力向上リーダー養成研修生の実践にふれていただきながら、「資質・能力の育成をめざした授業づくり」についてご講演いただく予定です。

 みなさんの積極的な参加をお待ちしています。

                                   

                                   (小中学校教育推進室)

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

カテゴリ