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府立学校人権教育研修B(cコース 在日外国人教育)を実施

 9月9日(水)、長吉高校において、府立学校人権教育研修B(cコース 在日外国人教育)を実施しました。長吉高校では、国際理解教育や多文化共生教育を推進し、大阪のモデルとなる多文化共生の学校づくりをめざした取組みをすすめており、現在、約70名の様々な外国にルーツのある生徒がクラスの仲間として共に学校生活を送っています。今回、こうした環境に参加者が触れることで、外国にルーツのある児童生徒にどのように寄り添い、お互いの習慣や文化を尊重する多文化共生につなげていくかを考えるきっかけとすることをねらいに研修を実施しました。

 まず、外国にルーツのある生徒たちを対象とした日本語指導の授業見学を行いました。クラスは生徒の日本語習得度に応じて分けられており、主に来日して半年ほどの生徒を対象にした「クラス①」では、イラストや写真などを使いながら、ひらがな・カタカナの習得など、日本語の基本から学んでいきます。一方、日本語を使ってある程度意思疎通を図ることができる生徒が集まる「クラス②」では、日常のあらゆる場面を想定し、さらにコミュニケーション力に磨きをかける学習に熱心に取り組んでいました。はやく日本での生活に慣れ、友人たちとコミュニケーションができるようにと、真剣に日本語を学ぶ生徒たちの姿が印象的でした。

 続いて、府教育庁高等学校課の指導主事から、「大阪府における在日外国人教育の現状と課題」について講義がありました。府立高校において外国籍をもつ生徒は、現在、1,110名を超えて増加傾向にあり国籍も多様化していることから、これまで受入れ経験のない学校においても、今後、日本語指導をはじめ理解を深めていく必要性が高まっているといった説明がありました。

 そのあと、6言語に分かれて行われた母語指導を見学しました。母国と離れて暮らす生徒たちにとって、母語や母文化に触れることは、自らのアイデンティティを確立していくうえで大切な要素の一つです。同じ言語を母語とする友人や教職員とコミュニケーションをとる母語授業は、生徒たちにとって、お互いにうちとけた感情表現ができる貴重な時間のように感じました。

 最後に、長吉高校の人権教育主担者より、「長吉高校の多文化共生教育」と題した実践発表がありました。外国にルーツのある生徒は、日本語指導と母語指導の2つの柱で支援することが大切であること、また学校生活のあらゆる場面で日本人生徒との交流の機会をつくることで、お互いの文化や習慣の違いを認め尊重し合う多文化共生の学校づくりをめざしているといった貴重なお話を伺いました。

  受講者からは、「生徒たちの真剣な姿勢に感動した。日本語の微妙なニュアンスを考えたり、いじめについて母語で考えたりする取組みの中で、生き生きとした様子がとても参考になった。」、「日本語指導だけでなく母語保障もしているからこそ、生徒が安心して学べていると思った。全教職員が一丸となった多文化共生のモデル校の取組みに触れることができてよかった。」といった意見が寄せられました。

 本日の研修でそれぞれの受講者が肌で得た成果を教育現場に持ち帰り、実践に生かしていただくことで、多文化共生の文化の輪が広がっていくことを期待しています。

(人権教育研究室)

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