教育支援センター便り4 ~11月の活動~

 大阪府高等学校教育支援センター(愛称:ルポン)では、心理的または情緒的原因などにより登校の意思があるにもかかわらず登校できない高校生を対象に「学習支援」や「心理支援」を行い、学校復帰に向けたサポートを行っています。通室生徒の中には、初めての場所や人に対して心理的抵抗や不安を強く感じる生徒もいます。生徒たちの不安や緊張を緩和し、自信が芽生えるよう、様々な人やものと出会える体験活動プログラムを実施しています。


 今回は、11月20日(金)に普段過ごしている活動室を出て行った、高等学校教育推進室の指導主事による理科ワーク「星座早見盤の制作と天体望遠鏡観察」の様子を紹介します。

 まず、理科実験室で夜空に広がる星座を図に表した星座早見盤を作りました。初めに、星図上に薄く描かれた天の川に好きな色を塗ります。続いて21個の一等星から、北半球で見ることができる15の星を星図上から探して色を塗り、いくつかのパーツを組み立てて完成させました。完成後は「今日の大阪の夜7時に見える星は?」など、早見盤の活用の仕方を教わりました。
 今回作ったものは、日本から見える『全天星座早見』方式の本格的な早見盤で、「小学校の理科の授業で作ったものと全然違う。」という感想が漏れました。「ぜひ家族に見せたい。」と言って、早見盤が折れないようにファイルに挟んで、大事そうにリュックにしまう生徒もいました。
 この日は、あいにくの雨模様でしたが、生徒たちがワークを始める前に空模様がやや回復してきたので、運が良ければ木星と月が観察できるかもしれないと期待が高まったものの、結局、天体観察は叶わず、センターに設置されている天体望遠鏡について学習しました。生徒たちは、天体望遠鏡が設置されたドームの天井が開閉する様子や望遠鏡が回転しながら動く様子を興味津々で眺めていました。中でも、ステップに上り初めて望遠鏡の反対側からレンズの奥を観察した時には、そのスケールや仕組みに驚きの声を上げていました。 
 天体観測を期待していた生徒たちは、やはりお天気が悪く観察ができなかったことがあきらめきれない様子で、ワークの再開催をリクエストしていました。また終了後には、疑問に感じたことを熱心に質問をする生徒もいました。
 教育支援センターは、本館5階にあります。生徒が教育支援センターで活動を行っている間は、関係者以外の立ち入りを制限し、生徒たちが安心して日々の活動を行うことができる環境づくりに努めていますが、一方で学校復帰を考えた時には、様々な状況に対応できるよう慣れていくことはとても重要です。そのため今回のように活動室を出て教育センターの施設を利用した体験活動を取り入れるような機会を創り出しています。活動室外で初対面の指導主事と一緒に行った理科ワークへの参加を通して、生徒たちの中で新しいことに取り組むことへの不安が少し緩和し、積極性が芽生えてきたように感じました。今後もこのような機会を重ねることで、エネルギーを蓄えて学校復帰につながるよう支援してまいります。
(教育相談室 大阪府高等学校教育支援センター)

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