アセスメントを支援に生かす

 11月12日(木)に支援教育コーディネーター研修(第4回)を実施しました。今回は、「アセスメントの結果を『個別の指導計画』に生かす」をテーマに、幼稚園、認定こども園、小・中学校等、高等学校及び支援学校において、教育相談や地域支援などを担当する「支援教育コーディネーター」の教員が参加しました。

*支援教育コーディネーターとは、保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関     係者や福祉、医療等の関係機関との連絡調整役としての役割を担う者として、位置付けられています。(文部科学省HP)

(写真:研修の様子)

 研修講師には、梅花女子大学 教授 伊丹 昌一 先生をお招きし、まず、「支援教育のセカンドステージ」と題し、ご講演いただきました。先生からは、これまでの支援教育が行動面における支援を中心としたものであったのに対して、これからの支援教育は、すべての子どもたちの学力向上に視点を移して、さらにきめ細かい指導が必要になること、具体的には、これまでの支援教育においては、集団の中で「きわだつ」行為を取り上げ、子どもたちの行動面における課題を解決することに重点がおかれ、いかに学校生活をスムースに送るか、という視点で多くの支援方法が提案されてきましたが、すべての子どもたちの学力向上という視点からは、行動として表れにくい子どもたちの学習面にも意識を向け、課題を解決することが大切になってきているという問題提起がありました。また、「特別ではない支援教育」として、障がいの有無にかかわらず、すべての子どもの個性に配慮したきめ細かい、スモールステップでの指導が求められているという指摘をいただきました。

 講義に続いて行われたケース会議の演習は、提示された架空の児童の事例(検査結果と背景情報)について、支援目標と具体的な手立てを考えるというものでした。

*ケース会議とは、当該児童生徒と保護者にとっての優先事項、必要な支援、合理的配慮、役割分担について、関係者と関係機関が共通理解を図るために行われるものです。関係者とは、一般的には、学級担任、特別支援教育コーディネーター、養護教諭、保護者等を指しています。また、特に小学校高学年以上は、児童生徒自身の参加も考えられます。支援計画の作成の過程に参加することで、自分ができるようになりたいことは何かを理解し、その実現のために必要な支援について自己決定していくことにつながります。関係機関は、福祉施設(児童発達支援センター、放課後等デイサービス事業所など)や医療機関等を指しています。(文部科学省HPより作成)

 受講者は、事例で示された児童の実態について、支援をしていく上でどの点に注目し、優先すべき課題は何か、どのような支援策が適切かを具体的にイメージしながら検討し、考えをまとめたあと、優先すべきと考えていることを受講者同士で伝え合い、質疑を重ね、最終的に優先事項を決定していくことを通して、新たな視点を学び、自分のスキルにまで高めることができたのではないかと思います。

 本研修を通して、支援教育コーディネーターの役割の大切さを理解し、日々の実践の積み重ねによるスキルアップを図っていくことで大阪府の支援教育推進の中心的役割を担っていただけることを期待しています。(支援教育推進室)

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