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小・中学校人権教育研修D(子ども・障がい者の人権)<aコース>(第1回)を実施

 9月10日(木)~9月30日(水)の間、Webにて小・中学校人権教育研修D(子ども・障がい者の人権)<aコース>(第1回)を実施しました。

 府内の小・中学校においては、虐待や貧困等、特に新型コロナウイルス感染拡大によって、一層厳しい養育環境におかれた子どもの現状把握に努めるとともに、関係機関との連携を図りながら対応しているところであり、本研修においては、「様々な家庭環境にある子どもの現状及び子どもの権利について認識を深める」、「子どもの人権を尊重した学校づくりについて振り返り、今後の具体的な取組みについて考える」ことをねらいとしました。

 まず、実践発表では、様々な家庭環境にある子どもや保護者に丁寧に関わり、周りの子どもたちとつなげていくためにどのように取組んだかについての発表を通して、受講者が自分の関わっている子どもと重ねて、子どもに寄り添い、信頼関係を築いていくことの大切さを深く考える機会としました。

 次に、大阪大谷大学の井上寿美教授より「子どもの人権を守るために学校に期待すること」と題したご講演をいただきました。コロナ禍で厳しい状況におかれている子どもたちや、虐待を受けてきた子どもなど、具体的な子どもの姿を例に挙げて、関わり方や関係機関との連携の重要さについて講義いただきました。

 虐待を受けている子どもにとっては、毎日が安全に過ぎていくことが当たり前でないこと、虐待を受けていることをだれにも言えず苦しんでいること、そのような日常の中でも子どもたちは必死で生き抜こうとしている厳しい現実があることをお話しいただきました。

 そのあと、「学校現場でできること」をテーマに、3つの事例を通して、解決に向けて自分ができることを具体的に考えました。事例検討のあと、講師から「社会の中で生きにくさを感じていることで虐待に至った保護者と解決に向けつながりを築いていくためには、まず『親が子育ての第一義的責任を担う』というのは、すべての責任を担いつくさなければならないということなのか、また、『家庭の教育力』とは何か、むしろ『地域社会が教育力をもつべき』ではないのか、といった自分自身の価値観を問い直していくことも必要ではないか」という重い問題提起があり、受講者一人ひとりが自らの課題として深く学ぶ機会となりました。

 受講者からは、「虐待の兆候を見逃さず、子どもや保護者を支えるのが学校現場であることを改めて認識しました。関係機関と連携し、適切な対応をとることができるように日頃から子どもの様子を把握しておくことが重要であると思いました。」、「虐待や様々な課題を抱えた家庭で、日々を必死に生きる子どもや、困難な状況でも毎日の生活に向き合わなければならない保護者のことを考えると、『家庭の教育力の低下』という決めつけですべて済ませてはならず、学校として何ができるのかを再度考える研修となりました。」、「一番難しいのは、教職員みんなが同じ思い、同じ方向性を向いて、その子どもの悩みに寄り添うことであると思います。そのためには、他人事ではなく、課題を全体で共有し、研修を積み重ねていくことも大切だと感じています。」といった感想が寄せられました。

 本研修は、何よりも子どもたちや保護者に丁寧に関わることで、内に秘めた悩みをひき出すことの大切さ、また、関係機関との連携にとどまることなく、地域社会全体で子どもを育てていくとはどういうことかを改めて考える機会となりました。

(人権教育研究室)

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