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セクシュアル・ハラスメント相談窓口担当者研修会を実施しました

 府立学校においてセクシュアル・ハラスメント相談窓口を担う教職員を対象とした研修会を、10月15日(木)に基礎編、11月4日(水)に応用編に分けそれぞれ実施しました。講師には、NPO法人えんぱわめんと堺の北野真由美代表理事をお招きし、参加体験型研修として行いました。

 まず基礎編では、「セクシュアル・ハラスメントに関する基礎的な知識を学ぶこと」、「被害者への対応の在り方や、加害者への対応の在り方について認識を深めること」をねらいとしました。軽い気持ちから子どもたちに対して起こしてしまうスクール・セクシュアル・ハラスメントの実例の紹介や、その大きな要因である生徒と教職員の力関係についてのお話がありました。「生徒側から『いや』と言える関係を築くことが大切だが、場の空気を読んでしまい、なかなか言えない子どもも多い」という指摘があり、受講者自らが「いやです」と相手に意思表示することの難しさを実体験しました。また、学校で起こりうる具体的なセクシュアル・ハラスメントの事例を題材に受講者どうしでロールプレイを行いました。さらに、これまで気づかなかった点やセクシュアル・ハラスメントの防止に向けたアイデアをワークシートを用いて話し合い、検証することで、防止に役立てるという実践的なワークに取り組みました。

 応用編は、セクハラのない学校づくりに向けて「学校における相談窓口担当者として知識を高め、校内研修の実施技能を高めること」をねらいとした、実践的な内容でした。まず、教育相談室より、「学校におけるセクシュアル・ハラスメント」と題して、相談室にメールや電話、LINEなどで寄せられた相談件数や内容の紹介がありました。相談内容を分析すると、「初期対応の遅れ」や「本人の受け止めと学校の理解とのギャップ」が課題であるとの説明があり、受講者にとって自校での取組みをいま一度、点検するきっかけとなりました。まとめでは、北野代表から「セクシュアル・ハラスメントのない学校体制」、「校内研修に向けて」、「被害者への対応方法」など、日頃から学校で準備を進めておくべき点について具体的な助言がありました。さらに、「校内研修ですぐ使用できるもの」として紹介された6種類のワークシートに受講者が実際に取り組むことで、担当者としての実践力を養いました。

 両日とも感染対策を講じたうえでの集合開催でしたが、「ロールプレイは実践的で対応力を身につけることができた」、「他の方の意見を聞くことができ、とても参考になった」、「体験型の研修では、新たな気づきがたくさんあった」と、他の受講者と対面して交流する中でこその学びを感じたという意見が多くありました。

 「教員との出会いは、生徒の一生に影響する」、「一人ひとりの多様性が尊重されるという小さな安心が、組織全体の大きな信頼につながる」というお話で締めくくられた今回の研修が、子どもたちが安心して通うことのできる学校づくりに着実につながることを期待します。

(人権教育研究室)

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