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学校が地域とともに学びを進めること ~へき地等学校長研修~

 1月下旬、へき地等学校長研修を高槻市立樫田小学校で実施しました。大阪府には現在、「へき地」指定の学校はありませんが、以前より、へき地あるいはへき地に準ずる地域の小規模校が集まって、地域の特長をいかした教育の研究を行ってきました。当センターでは毎年、へき地等学校長研修を実施しています。

 本研修は、へき地等学校長を対象に、(1)へき地等学校の特性を生かした取組みについて学び、教育課題や学校経営について認識を深める(2)授業参観を通して、へき地等学校の特性を生かした教育活動について理解を深める(3)へき地等学校、近隣施設等の見学を通して、児童生徒の豊かな学校生活のための教育環境整備、充実について学ぶ、この3点をねらいとして実施しました。

 ここからは、講話「高槻市立樫田小学校の取組み」の中で、校長からお話のあった重点的に取り組んでいる以下4点『1.確かな学力の育成』、『2.豊かな人間性の育成』、『3.保護者・地域に支えられた学習活動』そして『4.組織的な対応ができる学校づくり』について研修内容と合わせてご紹介いたします。

 まず、『1.確かな学力の育成』、『2.豊かな人間性の育成』については、授業参観及び校舎内見学「高槻市立樫田小学校の教育活動について」を中心に学びを深めました。

 小規模校のメリットを生かし、少人数だからこそ一人ひとりと丁寧に関わり、学びの質を問い続ける、きめ細やかな教育を日々実践されています。授業づくりや授業技術向上のために、学習と日常生活とをつなぐ学習場面の検討、学ぶ意欲を高める「しかけ」の工夫等教材研究にも非常に力を入れています。校長からは、確かな学力につながる学校全体の計画と実施、そして検証についてお話がありました。また、今年度、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から「集まること」が難しい状況下、他校や企業等とオンラインを活用した授業実践が、より多くの児童と関わる、つまり社会性の育成につながると期待されていました。

 下の写真は、階段踊り場に設けられた本の紹介ブースです。自然に本に親しむことのできる場の工夫もあり、児童は読書が大好きだそうです。

 次に、『3.保護者・地域に支えられた学習活動』については、地域の方々からのお話を中心に理解を深めました。

 樫田地区連合自治会長様より「出灰(いずりは)地区 災害復旧現場での現状及びこれからの防災地域づくり」について、株式会社高槻酒文化研究所様より「『新・どぶろく』生産に向けて」について、学校が地域と共に在るためにはというテーマで、貴重なお話を聞かせていただきました。

 お二人ともに共通していたことは、学校を中核としたコミュニティをどう維持・発展させていくかという視点でした。「(教育のプロとして)学校がすべきこと・学校ができること」と「地域がすべきこと・地域ができること」は異なります。子どもたちの健やかな成長のため、何が出来るかを日々協議しながら取り組む様子や成果等を示していただきました。

 最後に、『4.組織的な対応ができる学校づくり』について校長より説明がありました。

 樫田小学校では、週に1回、児童の課題と目標について学校全体でアセスメントを行う「今週の打合せ」の時間を設けています。教職員全員で全児童の成長を把握するとともに、児童の困り感(課題)の共有認識をしています。児童の対応についても、教職員それぞれがバラバラに関わるのではなく役割を分担し、意図的・計画的に連携してアプローチし、関わることを大切にしています。

本研修を参加された校長先生からは、

・地域で活躍する方々と出会い、想いを知ることが出来て良かった。

・地域学習、地域との関わりを、しっかり考える機会となった。

・学校見学で得た特色等を、今後の学校運営の参考にしたい。

・災害について、現段階で対応できることは準備をしていく。 等のご感想がありました。

 本研修を通して、各校長先生が「それぞれの教育活動」と「地域」とを重ねながら、多くの学びの視点を持って帰られたのではないかと感じます。へき地等学校の特性を生かした教育活動の推進が、子どもたち一人ひとりを大切にする学校づくりとして更に広がっていくことを期待しています。(企画室)

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