教職員のみなさん、5月5日と聞くとどんなことをイメージしますか?
多くの方は「こどもの日」を思い浮かべるのではないでしょうか。
国は、こどもの日である5月5日から1週間を「児童福祉週間」と定め、子どもたちがいきいきと、夢や希望をもって幸せに育つためにはどうしたらいいのか、みんなで考えてもらう機会としています。
みなさんは、子どもたちがいきいきと、夢や希望を持って幸せに育つためには、どのようなことが必要だと考えますか。
学校では、授業をはじめ様々な活動を通して、子どもたちの夢や希望を育み、成長を見守っていることでしょう。しかし、いま子どもたちを取り巻く環境は決して安全安心とは言えない状況です。虐待、いじめ、体罰、不登校、最近では新型コロナウイルスがもたらす差別などが、次々と起こっています。またこうした実態は見えにくいところで起こりやすく、それが子どもたちに様々な形で影響を及ぼしているということを意識する必要があります。
例えば、クラスの中には、自分の思いを素直に表現できない子どもがいます。その要因のひとつとして、様々な生活背景の中でのストレスが積み重なった結果ということが考えられます。そうした子どもたちは、例えば反抗的な態度を示したり、声をかけても無視したり、保健室に行く機会が増えたりと様々なサインを発していることに気づいているでしょうか。また子どもたちがふだん学校で見せている姿と、家庭・地域の中で見せる姿は同じではないこともあります。こうしたことを意識することで、子どもの行動には理由があると思えるようになり、声の掛け方や指導の仕方、さらには保護者との関わり方も今までと違ったものになることでしょう。
こうしたサインを見逃さないためには、普段から子どもたちをよく観察しておくことが大事です。わずかな子どもの変化に気づくためには、子どもから何でも相談してもらえるように、日々の子どもとの関係づくりが何よりも大切ではないでしょうか。
子どもの姿から学ぶといった経験を積むことは、教職員としてさらに成長することにつながっていきますが、子どものサインをキャッチしても、どう対応すればよいか迷う場面も少なくないでしょう。 そんな時には周りの教職員にアドバイスを求めたり、スクールカウンセラー等の専門知識を有する人と協働すること、また、教育センターをはじめとする相談機関へ連絡することで解決につながるヒントを得ることがあります。悩んだら一人で抱え込まず、まずは相談してください。このことが子どもの人権を守る一歩となるのです。
「子どものことを把握する」ことについては、教育センター作成の『クラス・学級集団づくりガイドブック』に掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
もう一度みなさんにおたずねします。
みなさんの学校・クラスの子どもたちは、「今幸せに育っていますか」
子どもたちのために、「自分に何ができますか」
新学期がスタートし、新たな環境の中、4月から緊張感をもって頑張ってきた子どもたちにとって、長期の連休明けは疲れを見せやすくなる時期でもあります。だからこそ、それぞれの職場で子どもたちのためにできることについて議論する機会をもち、それぞれの行動につなげてください。
(人権教育研究室)