校長 片山 造
言葉は時代とともに移り変わっていくもの。ひところ「ラ抜き言葉イコール日本語の乱れ」と指摘されていたが、最近あまり言われなくなったような気がする。これは、ラ抜き言葉が違和感なく?受け入れられ、言葉として次の時代に使われる権利を獲得したことを意味しているのだろうか?
本屋に行きジャンルは決めず、目にとまった本を購入して読むことにしている。本と言えば、本にはさまっている「しおり」は動詞「枝折(しお)る」からきている。その昔、山道の帰りの道しるべとするために木の枝を折って目印としたのが語源とされている。国語教師である私は、ここから授業で教えた宇治拾遺物語「姥捨て」の一節が思い出されるとともに、言葉の語源や奥ゆかしさに触れ感動してしまった。
放課後、校内の花壇横の椅子で男女生徒が仲睦まじくいたので、「アベックでいいね」と言ったらきょとんとした顔をされた。そうか、少なくともカップルというべきだった。ちなみに、アベック(avec-)はフランス語の前置詞で、英語のwith(~とともに)に相当している。
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