2020年10月アーカイブ

詩の紹介

校長 片山 造 谷川俊太郎さんの「信じる」という詩をご紹介します。これは2004NHK合唱コンクールにために谷川さん自身が書き下ろしたもの。谷川さんは歌手のASKA涼さんとの雑誌の対談の中で、音楽と言葉について次のように語っています。 「音楽には、意味がないから。意味がないのに、人を感動させるでしょ? だから僕も子どもの頃、感動したのは音楽が先だったんですよ。そのあと詩を書きはじめて言葉と出会っ...

想い

校長 片山 造 【校長先生の想い】北海道の初任校1年目のこと。12月の終業式、体育館の壇上から校長先生が生徒に呼びかけた。「もうすぐ年末、そして正月を迎える。どうか、お願いだからこの期間だけでも問題を起こさないで欲しい。」校長は特段の熱を持って生徒に訴えた。そう言えば、喫煙・窃盗・喧嘩...4月から「停学者」が絶えることがなかった。校長の苦しい胸の内を知ってか知らでか、ぺちゃくちゃしゃべる生徒た...

教師は職人である

校長 片山 造 ある若い先生と話をする機会があった。「先生は長い人生経験から学んだことはありますか?」少し意地悪でなんだか試されていると感じたので、こう答えた。 「そうだなあ、その人が善意で言ってくれているのか、悪意で言っているか。それから本気かそうでないかぐらいはわかるようになったよ。」ピタリと言葉が途切れた。 ちょいと(意地悪)だったかなと反省した。若い先生方にとって何の参考にもならないおぼ...

就職生激励会

進路指導部 山本勝久  10月15日(木)に、就職生激励会を実施しました。対象は、3年学校推薦を受けている就職希望生で、10月16日から始まっている就職試験に向けて、持ち物や服装などの最終確認を行いました。また、各クラスの担任とキャリアコーディネーターの先生、校長先生、学年主任から激励の言葉をいただきました。  今まで練習してきたことを胸に、これからは社会に「貢献する」立場であることを、しっかりと...

教員としての自分の強み

校長 片山 造 「先生の強みやアピールポイントはなんですか?」以前とある先生(以下、A先生)に聞いていたところ、先日、A先生から返答があった。「確認のためだけではなく、生徒に考えさせるテストを作成することができることです。」言葉を選びながらA先生は答えてくれた。 「そうですか、それは素晴らしいことですね。」A先生にはお伝えしていないけれど、うれしかった。①私が投げかけた質問を受け止め、②自分なり...

遠足は家に帰るまで

校長 片山 造 コロナ禍の中、今年の遠足は学年毎に京都?神戸?奈良?を散策することになっている。 行事が中止または縮小される今年、(節度をわきまえながら)生徒も先生も遠足を思う存分楽しんでよき思い出として欲しいものである。私は学校で無事を祈り待機しております。 ここで、遠足にまつわる(あるある)!そうそうとか、そうかなぁと思いながらお読みください。「遠足は家に帰るまで」「おやつは300円まで」「...

涌き上がる感動(よろこび)

校長 片山 造 教育庁で指導主事をしていた時のこと。ある支援学校を訪問することになった。校長先生と話をしたり生徒さんの授業を見学したりした。 そんな中、発表会に向け合奏の練習をしているクラスがあった。先生が「さぁ、今日はお客さんが来てくれています。みなさん、練習の成果を見てもらいましょう。」合唱、エレクトーン・ドラム・リコーダー・手拍子など、発表曲の演奏が始まった。 百年たっても好きでいてね ....

伝える

校長 片山 造 「生徒たち何度言っても分かってくれないんですよ。」「何回言った?」「5回です」「じゃあ、6回言えばいい、それでもだめなら7回言えばいいっしょ。」これは、20代の頃、北海道で初めて担任を持った時、先輩の先生と交わした会話。その先生はさらに言葉を続けた。 「それと、先生、本気で分かって欲しいと思って言っているかい。」 (どきり)とした。自分の覚悟のなさを見透かされている気がした。それ...

生徒に何を伝えたいか

校長 片山 造 札幌の高校にいた時のこと、生徒会誌の企画で、先生方に聞く(教師として生徒に伝えたいことは?)というコーナーがあった。 ある先生は、(人生の素晴らしさと苦しさを教えること)、またある先生は(国民の教育・勤労・納税、三つの義務を果たすこと)思い思いに書かれていた。私は何を書いたかと言うと、(とことん悔いのない人生を!)今となんら変わりないなぁと思わず笑ってしまった。  先生が生徒の将...

クラス(生徒)は進化するもの

校長 片山 造 札幌の高校で担任を持った時のこと。気がつけば、早くも?3回目の卒業担任となっていた。2年生から卒業まで2年間持ちあがりのクラス、それが1組だった。他のクラスと比べてまとまりがなく、もちろん盛り上がるわけでもなく日々が過ぎていった。担任の私は、そんな生徒に愛情を注ぐわけでもなく、時として(できていない)と怒りをぶつけ、淡々と連絡事項を伝え授業をこなすだけ。他のクラスの授業でワイワイ...

ほんとはね...

校長 片山 造 「先生、ほんとはね...」放課後、ひとりの生徒がグラウンドで野球部員とキャッチボールしている私のもとに来て言った。「タバコで何人も停学になってるけど、実は○○君が中心なの」驚いた。○○は、クラスの数名が喫煙で停学になった時、いち早くクラスに呼びかけ(NO MORE TOBACCO!)と言ってくれた生徒である。生徒の話は続く。「○○君がみんなにタバコを広めたの」これにも驚いた。私...

「防災研修」

保健部 中田敏子 新型コロナ感染症が広がるなか、大型台風が九州地方に大きな被害をもたらしました。 その際、避難所における新型コロナ感染症防止の対策が課題となりました。 10月8日(木)本校体育館で、避難所を設営するための研修を行いました。本校は災害時に地域の避難場所に指定されています。いつ近隣の方が避難して来た場合でも、受け入れの準備をしていなければなりません。 当日は日本防災士協会の坂上さん...

調査書は生徒へのラブレター

校長 片山 造 就職・進学に向け、3年担任は生徒一人ひとりに調査書を作成する。そこには、成績や出欠状況とともに担任の所見欄があり、その生徒の人となりや頑張りが記載されている。 大学に入り部屋の掃除をしていたところ出願せず手元に残った調査書を見つけた。3年間、部活動と行事以外に努力もせず成績は散々だった。担任の先生からは誉められたこともない。どうせ、ろくでもないことが書かれているに違いないと期待も...

福泉高校チアリーディング同好会、飛躍中!!

チアリーディング同好会顧問 西川道治  令和2年10月10日(土)・11日(日)、本校チアリーディング同好会(以降:本校チア部)の部員たちが堺チアリーディングクラブ(以降:堺チア)のメンバーとともに汗を流しました。14時00分から18時00分まで行われた合同練習では、本校チア部の部員たちが堺チアのコーチ陣からタンブリングを教えていただきました。  6月から始めた合同練習が功を奏し、部員たちは堺チ...

面接モード?

校長 片山 造 夏休みが明け9月に入ると、3年生は就職や推薦入試がぐっと身近なものになってくる。放課後になると、あちらこちらの教室で面接練習をしているのをみかけるようになる。(社会人として)(社会の一員になるにあたって)高校卒業後、社会に飛び出す生徒にとっては、越えていかなければならない高くて険しい壁がそこにはある。 1回目・2回目に3年担任を持った時、面接指導で苦心した。たかが30才そこそこの...

古語「ほど」

校長 片山 造 国語教師として、「舞姫」「こころ」等の小説や評論文と並行して古文・漢文も教えることになる。私が教員になりたての頃は、漢文しか教えない年配の先生もいた。 「程(ほど)」という古語(名詞)がある。古語辞典を引いてみると、「時間」や「程度」、「身分」や「様子」「空間の広がり」を表す実に奥行きの深い言葉である。 ほどなく到着します、ほど良い塩加減、身のほど知らずとなる、さらには重ねてほど...

国語教師として(後編)

校長 片山 造 教員生活18年、北海道から大阪に戻り、国語教師を続ける機会に恵まれた。しかし、そこには次なる壁が存在した。さすが、しゃべくりの本場、大阪。私が話を始めると、生徒が「ほんまに?」「そうそう私も...」と(つっこみ)を入れてきたり、「そんなことより、前の時間休んだからプリントちょうだい」と絶妙のタイミングの悪さで言葉を差し込んできたりする。話を聞くより話に参加する文化がそこにはあった...

国語教師として(前編)

校長 片山 造 北海道の学校で、国語教師として授業に臨んだ。大阪弁を交えた授業導入の雑談は大ウケ。しかし、授業に入ると...一人また一人寝ていく。あれだけ教材研究をして授業に臨んだのに...。テストの平均は40点台、他のクラスで授業をしている先輩教員とは15点の開きがあった。最初は(なぜこんなこともわからないんだ)と生徒のせいにしていた。そんなある日、あるクラスの授業に行くと、黒板に(次のカタカ...

雑な言葉?

校長 片山 造 年を重ねたせいだろうか、最近、世の中の言葉の雑(ざつ)さ加減が気になる。「びえんを超えてぱおん」等の流行り言葉は別として、例えば「想定の範囲内」という言葉。なんと身勝手な言葉だろうと感じるのは私だけだろうか。相手の言動について、自分はそんなことぐらいお見通しですよと言わんばかりの気がしてならない。その他にも、誰かとあった時、「ちょうどいいとこにいた」というのがある。この言葉など、...

昔の自分にあっぱれ!

校長 片山 造 私学進学校で講師をしていた20才半ば、授業中突然、生徒の一人が聞いてきた。 (先生は他人に誇ることのできるなにかがありますか?)私は質問の意図が分からず、「どういうことですか?」と生徒に問い返した。すると、「A先生は英語がペラペラ、通訳だってできる」「B先生はスキーが上手、インストラクターの資格を持っている」... さあ先生は?なぜかその時、迷うことなく答えたのが「いつでも今の自...

学校ピカピカ計画の背景にあるものは...

校長 片山 造 (なにかを始めるのには、かならずきっかけがある)そんなお話。 教員2年目、初めてクラスを持った。とんでもないクラスだった。特にとんでもなかったのは、片付けができない集団であるということ。食べたカップ麺はうしろの棚にそのまま放置、ハエが飛び交っている。壁にはクレヨンで落書き、確かジブリのアニメ画だった。配られたプリントが床に散乱、先生方から苦情また苦情。注意してもダメ。生徒たちは、な...

最終模擬面接

校長 片山 造 10月中旬から始まる就職戦線突破にむけ、学校推薦による就職希望者に対し、昼休みと放課後に校長・教頭による最終面接をおこなっています。これまでも担任や学年、進路の先生方等から面接の指導を受けてきたところです。そして10月に入り、希望する企業に皆さんが心を込めて書き上げた履歴書等が郵送されました。さあ、ここからスタートです。 模擬面接を通じて気が付いたことと、心掛けて欲しいことについ...

分かっていたつもり(><)

校長 片山 造 分かったふりして分かっていなかったこと。北海道に渡り?4年目のこと。初の3年生担任を受け持った。40名のクラスで、半数以上は就職希望だった。道外からの求人は多いが、道内→札幌とその数は減少し、地元室蘭・登別となると高卒求人はほとんどなくなる。そんな中、ある女生徒が「先生、地元のスーパーに就職したいです。」と言ってきた。社長さんと社員さんの笑顔はじける接客で、地元でも人気の店だった...

気持ち良く忘れる

校長 片山 造 20代のある日のこと、男子生徒に相談事があると言われ、「したっけ、明日の5時に」と返答した。すると「それはダメです。せっかくみつけたバイトの初日だから。金曜ならどうです?」と返ってきた。当時のわたしは(何を学生の分際で生意気な)と思ったはず。その生徒とどんな話をしたか覚えていないが、なぜか彼のバイト先の焼き鳥家で豚なのに鳥の「室蘭焼き鳥」をたらふく食って呑んだことは覚えている。 こ...

あらたな旅立ちにエールを送ろう!

校長 片山 造 9月30日の放課後のこと。企画委員会を終え校長室に戻ると先生がやってきた。 「校長先生、短い間でしたがお世話になりました。次への不安はありますが、なにごとも経験だと思い頑張ります。ありがとうございました。」 その先生は、4月から9月まで講師として本校で働いてくれた。通勤のバスと電車の経路が同じだったこともあり、何度か話をする機会もあった。 「こちらこそ、ありがとうございました。き...

礼儀作法

校長 片山 造 30代の頃、先輩教師から「近頃の若い奴らは礼儀作法も知らん。そう思わないか」と尋ねられたことがある。思い当たる節があったので、「そうですね。」と答えておいた。しかし、よくよく考えてみると、先輩はその言葉の後に、「お前が礼儀作法を教えろ」または「お前たちが出来ていないから若い教師はそのまねをするんだ」と言いたかったのだと思われる。   40代の頃、何故だかは覚えていないが、生徒以上...

面接練習にて

校長 片山 造 「あなたの好きな言葉は?」なんて質問は(今は✖だが)昔の面接では定番の質問だった。その質問に対し、「一期一会(いちごいちえ)」と答えたり、「努力は必ず報われる」と答えたりしながら受験生は自分をアピールするのだ。 10年ほど前、ここ福泉高校で私と生徒数名が放課後の教室で面接練習をしていた時のこと。ある女生徒の答えに、一緒に面接練習をしていた他の生徒たちの動きが一瞬止まった。その女生...