校長 片山 造
夏休みが明け9月に入ると、3年生は就職や推薦入試がぐっと身近なものになってくる。放課後になると、あちらこちらの教室で面接練習をしているのをみかけるようになる。(社会人として)(社会の一員になるにあたって)高校卒業後、社会に飛び出す生徒にとっては、越えていかなければならない高くて険しい壁がそこにはある。
1回目・2回目に3年担任を持った時、面接指導で苦心した。たかが30才そこそこの一教員が社会の何たるかを教えるなんておこがましい話なのだ。3回目の3年担任の時、その経験から2学期スタート時に「ここから1ヶ月は面接モード!」と生徒に告げ、教室での言葉遣いや先生方とのやりとりに負荷をかけることにした。最初は戸惑っていた生徒たちも、受け入れ、この取組みは(ゲーム感覚)で始められた。一方で、生徒とともにこれをやりきるためのルールをつくった。①姿勢を正し、相手の目を見て話す。②冒頭に、「はい」または「いいえ」、語尾は「です」「ます」をつける。③正しい言動には「いいね」、?と感じたら、何がおかしかったのか一緒に考え、答えを導き出すとともに提出メモに書きとどめ他者の力に頼ってでも必ず答えを導き出す。
授業に行っていただいている先生方にも、受け答え等できていたら大いに褒めてあげてくださいとお願いした。その結果?クラス全員が希望する就職先や志望する大学から内定・合格をいただいた。それ以上にうれしかったのは、面接モード期間を過ぎても、その取組みが継続されたこと。そして(言葉を大切に)(相手を思いやる)そんなたおやかな空気がクラスに漂っていたこと。
あきらめるな受験生!慢心するなかれ教員!まだ始まりの刻を迎えたに過ぎないのだから...