校長 片山 造
国語教師として、「舞姫」「こころ」等の小説や評論文と並行して古文・漢文も教えることになる。私が教員になりたての頃は、漢文しか教えない年配の先生もいた。
「程(ほど)」という古語(名詞)がある。古語辞典を引いてみると、「時間」や「程度」、「身分」や「様子」「空間の広がり」を表す実に奥行きの深い言葉である。
ほどなく到着します、ほど良い塩加減、身のほど知らずとなる、さらには重ねてほどほどなんて言葉もある。
更級日記の一文「道ほど~何となく青み、をかしう見えわたりたる」
(訳:道の途中~何となく一面青々として趣深く見渡された)。
我々はみな、まだ人生の道ほど(道の途中)である。