校長 片山 造
谷川俊太郎さんの「信じる」という詩をご紹介します。これは2004NHK合唱コンクールにために谷川さん自身が書き下ろしたもの。谷川さんは歌手のASKA涼さんとの雑誌の対談の中で、音楽と言葉について次のように語っています。
「音楽には、意味がないから。意味がないのに、人を感動させるでしょ? だから僕も子どもの頃、感動したのは音楽が先だったんですよ。そのあと詩を書きはじめて言葉と出会ってから、言葉というのは困ったもんだな、とずっと思っているんです。言葉にはどうしても意味がつきまとうじゃないですか。嘘もつくし、変な誇張もするし。音楽はそんなこと一切ないから。」なるほどと思った。そして、真摯に言葉と付き合っていくことを再確認できた。
「信じる」
笑うときには おおぐちあけて
おこるときには 本気でおこる
自分にうそがつけない私
そんな私を 私は信じる
信じる事に 理由はいらない
地雷を踏んで 足をなくした 子供の写真
目をそらさずに 黙って涙を流した
あなた そんなあなたを 私は信じる
信じることで よみがえるいのち
葉末の露が きらめく朝に 何を見つめる
小鹿のひとみ すべてのものが 日々新しい
そんな世界を 私は信じる 信じることは 生きるみなもと