学校ピカピカ計画の背景にあるものは...

校長 片山 造

(なにかを始めるのには、かならずきっかけがある)そんなお話。

教員2年目、初めてクラスを持った。とんでもないクラスだった。特にとんでもなかったのは、片付けができない集団であるということ。食べたカップ麺はうしろの棚にそのまま放置、ハエが飛び交っている。壁にはクレヨンで落書き、確かジブリのアニメ画だった。配られたプリントが床に散乱、先生方から苦情また苦情。注意してもダメ。生徒たちは、なぜ担任の私が大声出して怒っているのか、何を注意されているかさえわからない。なぜなら家にゴミ箱もなく片付けることを教えられていないから。

ある朝、ふらりと教室に行った。黒板の隅にこの世のものとは思えないほど汚ない文字で「あんたのクラスが校で一番汚ない」と書かれていた。ショックだった。半べそかきながら消した。生徒にはそのことは言わず、「今日から教室をみんなで掃除する。目標は学校一美しくだ」生徒はキョトンとしたが、毎日、たくさんの生徒が私のワガママ?に付き合ってくれた。この学校で一番美しく...なんて、もうどうでもよくなっていた。生徒とワイワイ話をしながら掃除をするのが楽しくなった。時に掃除の手を止めながら話をする時間がそこには存在した。鼻の中を真っ黒にしながら拭き掃除をする女生徒や「便利だね便利だね」と言いながら、はたきで埃をはらう生徒を思い出す。振り返ると、楽しいことばかり。

本校学校経営計画の「学校ピカピカ計画」実はこんなところから生まれている。