校長 片山 造
「生徒たち何度言っても分かってくれないんですよ。」「何回言った?」「5回です」「じゃあ、6回言えばいい、それでもだめなら7回言えばいいっしょ。」これは、20代の頃、北海道で初めて担任を持った時、先輩の先生と交わした会話。その先生はさらに言葉を続けた。
「それと、先生、本気で分かって欲しいと思って言っているかい。」
(どきり)とした。自分の覚悟のなさを見透かされている気がした。それからは、生徒に心ゆくまで自分の思いを伝えることにした。するとそのうち、しゃべろうとすると「先生しつこいなぁ!分かってるから、○△でしょ」笑いながら生徒が言うようになった。またひとつ、(教師はかくあるべき)という思い込みを乗り越えたと実感できた出来事だった。