8月4日「引退をかけて」

今日はAが学校でTRを行いました。


練習の30分前に先生から「今日のTRは自分たちで考えてやってみよう」と言われそこから皆で話し合った後練習を始めました。


ここで求められていたのは


・チームとしての自主性
・前々から課題として提示されている2年生の中からチームを引っ張る存在が出てくること


大きくこの2つだと思います。


チームとしての自主性ということについては、長い間このチームは主体性という言葉を掲げていながら内実はその主体性の欠片もありません。


このチームで現状最も良くないことは選手権1か月前にも関わらずチームを引っ張っているのが先生ということ。


サッカーへの知識が未熟でかつチームとしての方向性を自分たちだけで決定づけることが出来ない新チーム始動時のような、サッカーの概念付けの期間においては先生がチームの主体となることはあるべき姿です。


しかしその後のサッカーを発展させていく、チームのサッカーと自分の長所を結びつけるという行程にまだ自分たちは至れていない。


これは選手個人個人が考え抜くことでのみ可能となり、チームの大きな伸び幅に繋がることです。


それを出来るようにすることがこの1ヶ月間で詰めていくべき課題でしょう。


そしてそのはじめの一歩を先生は今日の練習で自分たちに提示してくれたのです。


選手権で勝つためにはそのサッカーの発展と、後輩やBチームへの継承の2つにおける主体性が欠かせません。


ここをどれだけ当事者意識をもって自分が取り組もうとし、はたらきかけることが出来るのか。これがこの1ヶ月、ひいては75期の1年間での大きな伸び幅となります。


2つ目については今日主体性を求められた分この課題がより浮き彫りになったように感じました。


練習前に先生から「Bとの戦術面での差が課題。そこを埋められるような練習を考えて」と言われたにも関わらず自主練に近い技術にフォーカスした内容となっていたのが自分としては残念なところです。


AとB、技術面では大した差はなくサッカーの概念付けの部分、細かいポジショニングや味方との位置関係、どのタイミングでどこを狙うのか、ということを体得しきれていないところに差があるのにそれを鑑みることが出来ていなかった。


チームを引っ張る選手はチームの現状を捉えた上で、今回の状況ならBを教えることを前提にメニューを組んでいくはずです。


しかし3年も含めてそういう選手は今回現れなかった。


またAの中でも3年中心のグループと2年中心のグループの2つに分かれて練習を行っていました。


2年は3年を自分の練習に引き込むぐらいやらないと。


この2点から今回の課題をより大きく捉えることとなりました。


今日の練習についてはここまでで、ここからは選手権について書きます。


選手権まであと1ヶ月。


本当に後が無いこの時期ですが周りが勉強だけに集中していることもあって今何のためにサッカーをやっているんだろう?と立ち止まることが往々にしてあります。


自分たちの求める選手権での結果は自分たちの基準のチームTRを積み重ねるだけで得られるほど甘くはなく、それ以外にサッカーにかける時間が必要とされます。


そのことがあって、上を目指すための勉強が思うように出来ない。このサッカーと勉強との兼ね合いのために今回の問いかけは受験への意識が強まるにつれて何回も何回も行ってきたもの。


今本当にサッカーは取り組むべきものなのか?


今回の選手権では順当にいけば4回戦が河南高校戦、5回戦が金光大阪高校戦となりここで74期の高校サッカーは終わるでしょう。


例え更に勝ち進んだとしても必ずどこかで終わります。


必ず終わりが来るのであればどこで負けても変わらないのではないか?そうして一瞬立ち止まります。


でもまた動き出します。それは自分たちは動かしようのない結果のために生きているから。


自分たちはサッカーにおいて特別なわけではなくて今回の選手権で5回戦,6回戦に進出できたとしても世界が大きく変わるわけではありません。


でも間違いなく自分を取り巻く環境や自分の世界観は大きく変わる。


大きな差を覆したという事実。
それは今後に繋がる自信に変わる。


何ものにも変え難い自己実現という欲求の達成。
だから今サッカーをする意味がある。


勉強をすべき時期でも舞台が用意されている限り最後まで取り組み続ける意味がある。そう思います。


ただ、それと同時にこのチームではサッカーで頑張れないと将来性はない。ただ頑張るためには、向上心を持つためには、希望が必要です。


その足掛かりとなる実現の可能性を自分たちの結果によって少しでも多くの部員に感じ取ってもらえたら、それは畷高サッカー部の糧になっていくのかなあと思います。


そのために自分の引退をかけて。1ヶ月と最後の選手権に向き合っていきます。


ー3年プレーヤー Iー


掲載:顧問浅田