選手権ブログ⑬

『憧れのその先へ』

僕もこの人たちと、この雰囲気の中で、サッカーがしたい。このチームのメンバーとして試合に出たい。約3年前、僕はこの畷高サッカー部に憧れ、この高校を目指すことを決めた。

サッカーが楽しい。サッカーが好き。そんな気持ちで小、中とサッカーをしてきた僕にとって、真剣に勝ちにこだわる畷高サッカー部の環境はまったく新しく、とても新鮮だった。

今思い返せば、小、中学生の頃は試合やライバルに勝つために練習するのではなく、ただただ大好きなサッカーが上手くなりたくて日々練習していたのだと思う。勝利を目指して全力で活動に取り組む畷高サッカー部の雰囲気に始めは付いていけず、なんとなく練習をこなす、そんな日々が続いた。

自分の気持ちに変化が訪れたのは77期のインターハイが終わった頃、入部から1年以上経った後だった。サポートメンバーにすら入れず、ベンチ外から試合を眺めるだけだった自分がとても情けなく、悔しかった。それからは心を入れ替えて全力で勝ちに向かって練習に取り組んだ"つもり"だった。

でも、甘かった。その後にあった77期の選手権でもメンバーに入れず、さらには自分たちの代の大会だったインターハイですらメンバーに入れなかった。正直、焦りしかなかった。

選手権までやり切ると決めてからは、対人のDFや練習での声出しなどの自分の苦手なことにも積極的に取り組んできたし、それらが人より劣っている分、それをカバーするように筋トレや体幹、ランニングなどに人よりも熱量を持って取り組むようにしてきた。しんどいことや辛いことも沢山あったが、ここまでの数ヶ月間は今までの僕のサッカー人生の中で1番本気でサッカーに向き合った、1番楽しい期間だった。

10年以上にわたる僕のサッカー人生において、小、中、高、と僕は誰よりも試合に出られない悔しさを感じてきた確信がある。その悔しさをぶつけるのはここ、選手権しかない。

憧れだったサッカー部での憧れの舞台。こんな情けないままでは絶対に終わりたくない。今までの後悔、経験、努力を思い出せ。悔しさを勝利への原動力に変えろ。

まずは初戦、しっかり勝ち切って打倒私立強豪への切符を掴み取ろう。

このメンバーと、この雰囲気の中で、まだまだサッカーがしたい。

3年プレイヤーK

掲載:顧問佐藤