10年経験者研修選択研修(課題別研修Ⅰ)
~当事者に学ぶ人権学習(ハンセン病)~
最初にハンセン病回復者支援センターの伊藤めぐみコーディネーターより、回復者の全体状況について説明がありました。
政府によって明治40年に始まった隔離政策は、ハンセン病に対する誤った認識を広げ、その治療法が昭和24年に開発され、化学療法で治療中には感染もしないにも関わらず、専門家である医師はその事実を一般に明らかにせず、「らい予防法」の廃止が平成8年まで遅れました。
法律が廃止された後も、ハンセン病に対する誤った認識は残り、ハンセン病が治癒した人々がホテルから宿泊を拒否されたり、さらなる人権侵害を受けています。また、今なお残る偏見から、現在もなお、故郷に帰らなかったり、家族との交流を避けたりする人も多い実態が報告されました。
その後ハンセン病療養所関西退所者原告団「いちょうの会」の回復者の皆さんから、ハンセン病に対する差別と偏見について具体的にお話をうかがいました。
ハンセン病と診断されて家族や故郷から隔離され、結婚や子育てさえ許されなかった隔離時代の実態に、研修参加者は息をのみました。「当事者から学ぶ」ことの重要性を再認識した研修となりました。
研修者の感想
前半では、これまでのハンセン病に関する歴史について、くわしく知ることができました。正しく知って判断するということが、いかに大切なことであるかということがよくわかりました。後半の当事者の方の話は実体験ということもあり、子どもたちにそのまま伝えたい事柄ばかりでした。打ち明けた時の気持ちを話されていましたが、受け入れる側の問題が非常に大きいと感じます。人権意識を高くもって、今後の指導に携わりたいと思います。
(人権教育研究室)