大阪府教育センターでは市町村教育委員会と連携し、「子ども主体の授業づくり」をめざした「授業づくりセミナー」を支援しています。各市町村教育委員会が実施している「授業づくりセミナー」では、市町村の課題に応じて工夫した取組が進んでおり、各市町村内の参加者が共同で指導案検討を進め、代表者が研究授業を実施し、討議会で成果と課題を深めるという研究授業を柱とした研究も増えてきました。
今回はその中から、「羽曳野市中学校国語科授業づくりセミナー」の様子を紹介します。
今年度の当セミナーの研究テーマは、「子ども主体の授業づくりをめざして~学習評価をいかした授業改善を進める~」です。市内中学校の各校1名以上の国語科教師が参加し、年間3回実施しました。
第1回は、講義により「学習評価のあり方」について理解を深め、第2回は指導案の検討、第3回は研究授業及び討議会を行いました。今までも、「書くこと」について取り組んだ各校での授業実践を持ち寄って討議する等、授業実践に関する研究は行われていましたが、今年度のように一つの授業に焦点化し、授業後の討議も含めて研究を行うのは初めてです。
今回のセミナー第3回では、羽曳野中学校伊藤慎治教諭が代表の授業者となり、研究授業を行いました。提案された指導案について、参加者で授業展開やワークシート、必要なてだて等具体的な改善について検討しました。
研究授業後は、成果物(ワークシート)を用いて、「授業での指導は適切であったか」「判断基準は明確であったか」等について討議しました。各校の参加者が生徒のワークシートを評価しながら、授業内の生徒の様子を分析したり、自校での実践の成果や課題を共有したりしながら熱心に研究を進める様子が見られました。
授業そのものに工夫が加えられ、改善されたことはもちろんですが、市内6校の国語科によりさまざまな実践交流が行われたことや、評価のあり方について各校の現状をもとに具体的な研究が進められたことには大きな意義がありました。また、参加者それぞれが各校での日々の授業にいかすヒントを持ち帰ることができました。
(小中学校教育推進室)