TV番組「世界はTokyoをめざす」を観て

                           校長 片山 造

  2020年東京オリンピックを目標に、今、日本、そして世界の各地で多くのアスリートやその活動を支える技術者が懸命の努力を積み上げています。そんな人々を主人公にした番組、それが「世界はTokyoをめざす」です。

私が観たのは「~腕に剣、胸に愛~」の回でアフリカ チェニジアのフェンシング女子イネス選手の話。指導者もおらず、練習環境も整っていない中、懸命な練習を積み重ね、フランス人の夫と二人三脚でついにリオオリンピックで銅メダルを獲得します。ここまでは、どこかで聞いたことがある話?ここから本題?

彼女はメダル獲得の瞬間、歓びのあまり観客席にいた夫のもとに駆け寄りキスをしました。この画像が「オリンピックキス」として世界に広がりました。

「なんて素敵!」「おめでとう!」という賞賛の声とともに、彼女は「恥知らず」「許しがたい行為」と世間からバッシングされることになりました。

 この背景には、彼女の母国チェニジアには敬虔なイスラム教徒が多く、男女が人前でキスをすることなど許されないという宗教的な教えがありました。

 それに対し、彼女は毅然と立ち振る舞います。そして、世界に向けて発信します。

「わたしもフランスへ留学するまでは、人前でキスするなんて考えたこともなかった。人間、外の世界を知らないことで人としての本当の豊かさを失っている。

 さらに夫のエルワンは言います。「人種や宗教も違うように、人はそれぞれ。だからこそ人を理解するだけでなく『人を尊重すること』これこそが大切なことである。

 彼らが来年、東京で輝いてくれることを期待しています。そして応援しよう!

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