ひと手間かける

校長 片山 造

「ひと手間かける」...(よりよく仕上げるための、ちょっとした工夫や作業)の意。

ニュアンスの違いはあれどプラスαの日本版が(ひと手間かける)ではないかと思う。

料理を美味しくいただくために一つまみの塩を加える。日本が世界に誇る(だし文化)はまさに究極の(ひと手間)だな、とみそ汁をすすりながら感じる。

 これを人との関係性に置き換えるとどうだろうか。それは、相手を想い感謝しながら(心を込める)(思案する)ということではないだろうか。もちろん、そこには良好な関係性を保つための声掛け(根回し)をすることも含まれている。因みに、根回しとは樹木を移植する際の養生の方法で、昭和40年頃から使われだした言葉で、(ある目的を実現しやすいように、関係する方面にあらかじめ話をつけておくこと)という意味で使われている。

この声掛け(根回し)というのがどうも苦手であると同時に言葉の響きとして好きになれずにいる。話すということは、自分の意見を伝えるだけでなく、相手の意見や思いも受け止めなければならない。何かを成すべき時には意見交換に終わらず、決断していかなければならない。もちろん、いかなる時も(バランス)は大切である。

「さて、今日はどんなひと手間をかけようか」そう考えながら、日々過ごしている。機会があれば根回しを得意としている人にそのコツを聞いてみることにする。

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