校歌を想う

校長 片山 造

シノピリカ カムイネモシリ(とても美しい 神の国よ)

これは、私が教員として初めて赴任した北海道の学校の校歌の冒頭部分で北海道の先住民族アイヌの人々の言葉である。開校を前に、有名な作曲家の石丸 寛さんに作曲を、劇作家の伊馬春部さんに作詞を依頼した。石丸さんは、曲のイメージをつかむため、わざわざ東京から来て、学校の周辺を散策したというエピソードが記念誌に残されている。

歌の結びは、栄えあれ 幸あれ 光あれ 実にスケールの大きな校歌であった。やんちゃで悪さばかりしていた生徒たちが、卒業式に声高らかに泣きながら歌いあげる姿は今も思い出すだけで胸がじんとなる。先人たちの想いと歌の持つパワーがそこにはあった。

 校歌には、周辺の情景や開校に至るまでの人々の想いが込められている。我が福泉高校の校歌はどうだろうか。(青き金剛葛城の)(みどり輝く田園の)と学校から見渡すことのできる風景が描かれている。この風景は開校40年近くの歳月を経た今でも、変わることなく残されている。歌の結びは「ああ我ら ああ我ら ああ我ら福泉高校」。メロディチャイムでも流れる校歌。一語一語、かみしめながら詩を吟味し曲を聴いてほしい。そして、時折、口ずさんでほしい。