人間の五感について

校長 片山 造

 「五感」とは、動物や人が外界を感知するための多種類の感覚機能のうち、(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の5種類の感覚をさす。また、五感を超え、理屈では説明しがたい、鋭くものごとの本質をつかむ心の働きや能力は「第六感」と呼ばれている。「ピンとくる!」「胸騒ぎがする」などはその類の感覚。

 今回は「嗅覚」の話。「鼻が利く」という言葉がある。これは事前に物事の展開や危険を察知したり、物事の良し悪しをかぎ分けたりする感覚。

エベレストを含む七大陸最高峰登頂最年少記録を樹立した世界的アルピニスト(登山家)であり、ヒマラヤや富士山で清掃活動をおこなっている野口健さんの言葉を紹介します。

山に登っていると、標高6,000mを超えたあたりから(においを感じなく)なる。私たちは日頃あまり意識してはいないけれど、雑多なにおいに包まれ生活している。それがないと、とたんに不安になり、においのするコロンをテントや衣服にふりかけ気持ちを紛らわせる。においのない世界は、実は生命の危機とつながっています。

人にとって感覚は大切なもの。そして磨かなければ衰えてしまうもの。その感覚を大切にしながら、より確かなものとするために日々、経験を積んでいくのがよいかもしれません。

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