祖父の教え

校長 片山 造

 祖父の趣味は俳句をつくることで、俳号を持ち、俳句のコンクールに応募し句集まで出していた。本棚を整理していると、祖父の句集とともに「俳句覚書」が出てきた。そこには、俳句の心得が書かれていた。これがまさに「生きること」に通じると思えるものばかり。

①「意味が通じるかどうか」ひとり合点は駄目です。②俳句は五七五ばかりではありません。十七音になっていればいいのです。③相手が「そうですか」となるのは報告、「情景が目に浮かぶ」ことが肝要。④作り続けると、最初は十七音では足りないと思っていたのに、十七音では多過ぎると感じる時が必ずくる。⑤日常使っている適切な言葉が必要で、言葉を飾ったり美化したりしないこと。

どれもこれも、人の道を示した心に刺さる言葉ばかり。そんな祖父が晩年に遺した一句。

やとわれて 案山子(かかし)の如く 店頭に」(おーいお茶新俳句第9回ユニーク賞)

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