校長 片山 造
TV番組で、ある歌手が少し前にヒットした曲を熱唱していた。歌い終わり、礼をするその前に、マイクでは拾われない「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・し・た」。くちびるがそう動くのが読み取れた。曲はロック調の荒々しいものだったので、(あれっ、意外と礼儀正しいな)と感心してしまったことを覚えている。
北海道にいた頃の話。何度かコンサートに行くことがあった。(なぜだか、北海道出身のご当地歌手が多かった)松山千春や玉置浩二やドリカム...。コンサートと言えば、歌だけではなくトークも楽しみでもある。松山千春は最初の1時間半しゃべりっぱなし。内容は芸能界の裏の裏話。その後、一気に歌い上げる。ドリカムは程よくトークを散りばめながらコンサートは進行していく。まさにドリカムワールドだ。それに比して、玉置浩二は一切話さず、歌い続ける。歌唱→礼→歌唱→礼...。歌唱と礼の間に、観客に届けられる無音の(ありがとうございました)。
なぜだかそんなことを思い出し、自分の(ありがとう)を振り返ってみた。トホホ...