人間の記憶と睡眠

 外山滋比古著「忘れる力」を再読した。そのなかに、人間の脳内メカニズムについて書かれた文があった。よい睡眠を得ることができれば、目覚めとともに忘れるということも含めて脳内が整理され、クリアな思考が可能になるという。質の良い睡眠が明日への活力を生み出す。ちなみに、忘れるという機能、人は1時間で半分、1日で約7割近くの物事を忘れるようにできているらしい。

 「Want is the mother of invention.」これは発明王トーマス・エジソンの言葉。日本語で(必要は発明の母)と訳されている。誰から聞いたか忘れたが、この英文を日本語に訳したところ、Wantに置き換えるワードがなく、無理にあてはめると言葉の揺れが生じる。「必要」ではなく、どちらかと言えば、「欠如」とか「貧困」が近いニュアンスとのこと。

 エジソンは、「恵まれていると発明は生まれにくい、必要なものがないところから発明が生まれてくる。満ち足りた状態で新しいものを作り出そうとするほど人間は勤勉にはできていない。」と言っている。

「寝るのは馬鹿だ、みんな寝すぎだ、自分は死んでからたっぷり寝る」

 これもエジソンの言葉。エジソンは朝6時に起き、夜中の2時まで発明のため働いていた。睡眠時間は平均して3時間から4時間程度というのも有名な話。しかし、実は、昼間に30分程の仮眠を数回とっていたようです。また、自宅以外でも頻繁に横になって仮眠をとる習慣があったようです。

「忘れながら新たな何かを生み出していく」ということでしょうか?