意外と簡単!

 1980年代半ば、卒業旅行で中国を訪れたことがある。香港⇒広州⇒桂林をまわり、最後に北京に入った。北京では、天安門広場や故宮博物館を訪れた。その後、北京郊外の観光地、万里の長城等を回ろうと思っていたところ、天安門広場横のバスターミナルで格安のバスチケットを購入することができた。

 安いのにはそれなりの理由があった。バスに乗り込んでみると、シートはボロボロ、床の所々に穴まで開いていて地面が見えた。乗り心地もお世辞にも良いとは言えなかった。そのバスで、中国人の勤労青年と知り合った。「どこから来たの」「これ食べる」ジェスチャーを交えたそんな簡単なやりとりだったような気がする。途中下車した観光地、明の十三陵で互いのカメラで写真を撮り合った。

 バスに乗り込もうとした時、彼は手を伸ばしながら私に「アフターユー」と言った。「???」すぐにそれが何を意味しているのか分かった。「お先に」と言ったのだ。

 (意外と簡単)そう思ってから、なんと言えば伝わるかで思い悩むこともなく、とりあえず、自分が知っている単語を並べちゃえ!と思うようになったという話。

(写真)・宇宙からもみえる「万里の長城」50万人収容可能な「天安門広場」