(なぜかわからないが)流行した遊び

 確か小学校6年生の時のこと。クラスで(ある遊び)が流行した。いつもなら、給食が終われば、われ先にとグラウンドに走っていく。サッカー・野球・鬼ごっこ...、思い思いに自分たちの遊び場所を確保するためだ。

 私が所属した6年2組は、担任の藤田(愛称:マンダム)先生の影響もあり?少し粗雑でワイルドだけれど、底抜けに明るいクラス。そんなクラスが、休み時間になっても皆、席に座って地図帳を開いている。いつも先生がいる教卓には、生徒がひとり立ち、その生徒がクラスに向けて(お題)を出す。(お題)は地図帳に載っている地名等であった。

 「△ページにある〇〇!」。教室は静まり返り、懸命にその(お題)を探す。見つけた者は、手を挙げ、答えを内に秘め教卓に向かう。「正解!」溜息と羨望のまなざし。そして、その子が次の出題者の権利を得る。

 なぜ、この遊びがクラスで流行したのかはわからない。言えることは、(お題)が出されてから誰かが答えるまでの(ぴーん)と張りつめた教室の緊張感。子ども心に、心地よい時間がそこには流れていた。

 (子どもの想像力と遊び)は無限大。それなら、大人だって...。