たった一度の人生だもの

(この人にはとてもかなわないなぁ)と思う人がたくさんいる。これは、とても喜ばしいこと。なぜなら、道をあやまたず謙虚でいられるから。かなわない人の存在は、人生の道標であるとともに、時に自分を奮い立たせ、時に諫めてくれる。

 ラジオである芸人さんがこんな話をしているのを聞いたことがある。

 立派な人は、(自分では気づいてはいないが)実は何度も人生を経験していて、その経験が蓄積されているから何でもさらりとできるのだ。そして、こう続けた。

「人との関わりについて、こう思うことにしている。人生5回目の人と勝負してもかなわないから素直に降参する。一方、腹が立つ言動をされても、その人は人生1回目だから仕方ないと受け流すことで腹は立たない。」

 それを聞いて(なるほど)と納得し、(ものは考え方ひとつ)と気持ちが少し楽になった。