12月20日(金)の放課後、校内研修を行いました。
講師は兵庫教育大学、岡村章司先生です。
先生は発達支援実践コース教授で臨床心理士の資格を持たれ、専門は発達障害、特に自閉症に関する教育的支援や家族的支援に関する研究をされているそうです。
今回の研修では、「応用行動分析の基礎」というタイトルで講義していただきました。
講義の中で、行動分析学に基づいた応用行動分析の考え方、行動の原理や行動の生じる理由、応用行動分析における支援についての目的や手法、等々のお話をしていただきました。
特に、実際の教員をされていた時の経験などを織り交ぜながらのお話はとても参考になりました。
例えばある時、運動会等の行事で「保護者がくると、必ず、泣いてしまう子ども」が居たそうです。
もし、そんな子どもが居たときに、どう行動するかをグループディスカッションしました。
先生は応用行動分析に基づき、「校内で待機している保護者を子どもと一緒に呼びに行く。」行動を起こすことで、子どもが環境の変化に能動的に参加すると、子どもが行事で母と一緒に「泣かずに」教室で過ごせ解決できたことを挙げられました。
このように講義では、様々なお話を聞きながら、ディスカッションを通じ、教員同士の真剣な討議が行われていました。
また、インクルーシブ社会を目指すという理念のもと、障害を持つ個人が社会に合わせて変わるのではなく、そうした社会を築いている健常者の側が変わることが大切だと説明していただきました。
その他にも、行動を促す環境整備、教示・指示の仕方や構造化、行動契約、プロンプトやその内容、ほめる際の留意点、「罰」による行動の低下等々、短い時間にもかかわらず、わかりやすく多岐に及ぶ行動分析学の知見を得ることができました。