9月23日「選手権に向けて12」

「野望」から「願望」へ


「自分はチーム愛や、周りへの感謝が足りていない。」2年生の終わり頃までそんな風に考えることがあった。


今が完璧だと全く思わないが、少し変わったことがあると考える。


自分は去年の選手権に出場させていただいた。最後の試合は大阪偕星戦だった。


今よりメンタルが安定しておらず、プレーも安定していなかった。


試合終了のホイッスルが鳴った時、先輩たちが涙を流す中で、自分は何もできなかったとただ無力感を感じたのを覚えている。何か大切なものが足りなかったのだと思う。


最近その存在にやっと気づき始めたように思う。それは先述した「チーム愛」と「感謝」である。


チーム愛とは、チームにいたいと思うことや、チームメイトのために何かしてあげたいと思う感情のことであると考える。


チーム愛は、自分が未熟であると認めることができたこと、仲間とのコミュニケーションが増えたことによって芽生えたと考える。


自分が完璧である必要はなく、できないことは仲間に助けてもらえばいいと先生に気づかせてもらい、自分を許し、他人をも許せるようになった。


そうすることで自分や仲間に対してポジティブな態度を取れるようになり、結果的にコミュニケーションすなわちチームとの繋がりが生まれた。これらがチーム愛を形成している。


感謝とは、周りの環境に対して感謝の気持ちを持つことである。


しかし、感謝しようと意識するのは難しい。


感謝とは自然に感じられるものだと考えるからである。


なぜこの気持ちが生まれたのか。それはこのような社会情勢の中で、身の回りの環境がいつ無くなってもおかしくない、つまり、当たり前でないことに気付かされたからである。


最後まで共にサッカーができると考えていたチームメイト、普段のトレーニング、練習試合、公式戦など、全て無くなってからその有り難さに気づいた。


だからこそ、再び「当たり前」として自分の目の前に現れた時、感謝が伴うようになったし、既にあるものを大切にしようと思った。


応援の言葉をかけてもらう度に感謝の気持ちが溢れる。与えてもらったものを自分たちの活動に最大限に活かすことが自分たちの成すべきことでもある。


選手権までもう残り少ない。


1年生の頃抱いていた選手権への出場という自分だけの野望は、これまでの期間を経て、チームで戦いたいという願望に変わっている。


もちろんサッカー内での詰めも必要であるが、それだけでないことは皆理解している。最後まで自分と向き合い、自分ならできると信じ続けたい。


保護者の皆様、学校の先生方、先輩方、友達、最後まで自分たちのサッカーを貫くので、応援していただけると幸いです。ここまで読んで頂きありがとうございました。


ー3年プレーヤー Aー


掲載:顧問浅田