折り鶴

校長 片山 造

3年生の授業見学をした際、ある男子生徒の机の上に折り鶴が置いてあった。素晴らしい出来栄えだったので思わず、「すごいねぇ、よくつくるのかい。」と尋ねてみた。生徒は照れくさそうに言葉少なに「はい」と答えた。そういえば...と家に帰り、探してみたところ立体折り鶴の作り方の本があった。この本は20年ほど前に当時勤めていた北海道の漁師町の学校の生徒とカナダの姉妹校を訪問した時、何かお土産をつくろうと購入したもの。挑戦したが難しすぎて完成には至らなかった。担任の先生を通じて、その生徒に是非あげてほしいと伝えた。

数日後の昼休み、校長室にその生徒と友達がやってきて、「先生、本をいただきありがとうございました。」手には立方体の上に折り鶴が散りばめられた作品を持っていた。「お礼につくってきました、どうぞ。」その生徒の思いが伝わり嬉しかった。居心地悪そうに横に座っている友達にも話を聞いた。「(二人は)高校に入学してから友達になりました。なんでも話すことができる大切な存在です。」と話してくれた。ほんわかした気持ちになりました。ありがとね。

さて、その生徒はめでたく希望していたモノづくりの会社への就職が内定した。おめでとう!いつまでも感謝の気持ちと継続することを忘れずにいてください。