思い出すあの場面「言葉の力」

校長 片山 造

5月、北の大地がようやく春めいてきた放課後のこと。(生徒全員が参加して達成感のある企画はないものか)と、生徒会のメンバーが思案していた。そこに部活に行く途中の私がたまたま通りかかり、生徒から意見を求められた。「学校全体でバーベキューでもしたらどう?」と思いつきで言ってしまった。一週間後、職員会議で生徒会担当の先生が「生徒会が考えました。学校祭の後、グラウンドで全クラス参加の大バーベキュー大会をしたいと言っています。実現させてあげたいと思います」と発言された。(あれ、それってどこかで聞いたことあるなあ)の後、思わず「あっ」と声をあげてしまった。まわりの先生が私をみたが、「すみません」とその場をやりすごした。その後、生徒会担当の先生に連れられ、生徒会長が教職員にお願いに来た。

「学校が一体となり、なにかをやりたいんです。先生方どうぞ力を貸してください」力強い言葉だった。先ほどまであんなに反対意見を展開していた先生方は何も言えなくなってしまった。その後、保護者の支援も受けながら着々と準備が進められ当日を迎えた。

晴天のもとグラウンドにて、(全校大バーベキュー大会)は挙行された。ドラム缶を切り、炭をおこし、そこに網を置き豪快にジンギスカンをほおばった。800人を超えるその風景は壮観そのもの。もう一度、その時に戻り五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)で体感してみたいものだ。