校長 片山 造
強豪校との練習試合でのこと、ベンチで采配をとりながらふと思った。野球はピッチャーが投げた球をバッターが打つ。その球を野手がとり、アウトを3つ重ねるとチェンジになる。そこで、(おやっ?)と疑問がわいた。
試合時間の中で、一人の選手がボールに触れている時間はどのぐらいだろうか?選手の中でボールをもっている時間が一番長いのは当然ピッチャー。それ以外の選手がボールに触れている時間は試合を通して数分にも満たないはず。
ふと、相手校の選手の動きに目をやった。すると、選手たちの流れるような無駄のない動きが目に留まった。ボールを持っている者、声を出して指揮している者、ボールを待ち構えている者...。それらがスムーズにつながっていくことでチームとして一体感と躍動感が生み出されていた。(これはバケツリレーだ)そう思った。そして選手たちに(つなぐ)という気持ちと感覚を身につけさせるための苦心が始まった。
(関わる時間と見守る時間)、大切なものが少しだけ分かった気がした。