校長 片山 造
「先生は間違ったことしてない。なにがあっても俺と生徒は先生を応援してっから。」
北海道の小さな学校で教員をしていたとき、野球部での指導を巡って保護者から学校に苦情が寄せられたことがあった。ノックの際、フライを取り損ねた生徒が球を目に当て怪我をしてしまったのだ。折しも、同じ管内で練習中に目に打球を受けて失明に至るという事案も生起していた。管理職、教育委員会から事情の聞き取りがあった。
その間、部活指導をすることがかなわず他の先生に任せなければならなくなった。小さな片田舎の村での出来事。噂はすぐに広まる。村のスーパーで買い物をしていても、視線を感じた。通っていた村の温泉でも同じ。イガイガする日々を過ごした。
その後、生徒とその保護者と話をして和解に至った。1ヶ月後の大会にも出場。その生徒も九番ライトでスタメン出場、エラー3。清々しい試合だった。