(いいな)と思う言葉③

校長 片山 造

日本の国語教育研究家に、大村はま(1906~2005)という方がいた。国語教師として52年間教壇に立ち、自ら主宰した「大村国語教室」では、子どもはもちろんのこと、後進や研究者、保護者にまで影響を与えた。たしか、教師になった時、母親から「読んでおきなさい。そのうちわかるから。」と著書『教えるということ』を渡された。

数年後、ふとその本を読むことになる。「ちゃんと少しずつ進む」「(先生)そう呼ばれるのに足るだけの人に!」身が引き締まる思いがした。

以下、はま先生の言葉。

・「ぬかるみで苦労している車にちょっと指で触れると、ぬかるみからぬけてからからと車がすすんでいく。これが一級の教師。」

・「明日よりも今日というように、気づいたり工夫したり、教師自身に成長の実感がある。ありあわせ、持ち合わせの力で授業をしない。何事かを加える、何事かを加えられて教室を出る」