多様性を感じること

校長 片山 造

現代は(多様性)に富んだ時代である。これは最近よく聞く言葉。先日、望月菜南子さん著『い。そしてでできている』という本を読んだ。この本では、共感覚(きょうかんかく)で女子大生である筆者がその事象を分かりやすく説明してくれている。「共感覚」とは、ある1つの刺激に対して、通常の感覚だけでなく、異なる種類の感覚も自動的に生じる知覚現象のこと。 例えば、文字に色を感じたり、音に色を感じたり、味や匂いに、色や形を感じたりする。様々なタイプがあり、これまでに150種類以上の共感覚が確認されている。最新の研究では強弱の違いはあるが、23人に1人が共感覚を有しているという研究結果もある。

15年ほど前、担任をしたクラスに(人や物の喜怒哀楽が色でみえる)という生徒がいた。その生徒いわく、人はもちろんのこと、建物や風景からも(喜怒哀楽)を感じるとのこと。自分には分からないが、(そうなんだ。感覚は人それぞれだな。)と認識したことを思い出すと同時に、最近、話を聞いたり人を認識したりすることができていないなぁと感じる。

感覚は人それぞれ... まずはここからスタートしてみることにする。