校長 片山 造
学校では、外部講師を招き生徒に対して講話や指導をしていただくことがある。先日、2年生の分野別説明会にお越しいただいた講師の方々にご挨拶する機会に恵まれた。
そこで私は、お願いをした。「生徒たちはまだまだ自分の将来について不確かな状態。だからこそ、みなさん(圧倒的な熱量で)仕事や将来の事について話をしてあげてください。みなさんの(熱)が生徒に届き、それがきっかけで、うつむいていた生徒が(なにか)をみつけ前を向いて歩みを始めるかもしれません。」
私が大学生の時、大学の講堂でフィールズ賞を受賞した数学者(広中平祐氏)の講演を聞いたのを覚えている。講演の内容は、文系の私には理解しがたいものであったが、講演後の学生とのやり取りの中で、(今の世の矛盾についてどう思われますか?)という熱い質問があった。それに対し、広中氏は「世の中にある矛盾、そこに生じている(滝のごとき)落差こそ次へとつながるエネルギー(熱量)をうみ出している」という話をされたことが印象に残っている。そしてその学生に向かって、さらりと「ムキになれないようでは、創造はできない。しかし、ムキになっているうちは、創造は生まれない」と言い残し壇上を後にした。
熱く語る大人は(うざい)?それとも(素敵)?時には、そんな(熱さ)に触れるのも良いかも知れない。そして、物事を自分事として熱く語ることのできる人はやはり(素敵)だ。
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