校長 片山 造
夏休みといえば、「読書感想文」を思い出す。私は国語教師なので?得意だったと思いきや大の苦手だった。夏休み前になると(今年こそ、夏休みの課題に読書感想文がありませんように)と願うばかり。その願いもむなしく、先生は原稿用紙と「○○文庫の100冊」なる冊子を配付する。そして言う。「この中から1冊選び、9月1日に『読書感想文』を提出しなさい」
冊子自体は、本のエキスがぎゅっと凝縮されていて面白いが、その先がなかなか進まない。
思い出しただけでも頭が痛くなる。読書が苦手?な人も、まずは「○○文庫の100冊」から読んでみてはいかがでしょうか。なぜなら私が本を読むようになったきっかけがこの本だから...。
【本の紹介】
最近、紹介されて読んだブレイディみかこ著「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の一節が頭から離れない。(以下、本より抜き出し引用)
「...人間って、よってたかって人をいじめるのが好きだからね」
わたしがそう言うと、息子はスパゲティを食べる手を休めて、真っすぐにわたしの顔を見た。
そしてあまり見たことのない神妙な顔つきになって言った。
「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。...罰するのが好きなんだ」
(うーん)と考え込んでしまった。本とはそういうものだ。