「感謝」「感激」「感動」「謙虚」

校長  片山  造

 つまずいた子ども達を見守り、寄り添い、その立ち直りを支えてきた女性が広島にいる。"ばっちゃん"こと、元保護司の中本忠子(チカコ)さん87歳。保護司を引退した後も、自宅を開放し、ご飯を食べさせたり相談にのったりしている。集まってくるのは、貧しくて家で食事がとれない少年や、母親から虐待され続ける少女など様々。それは現代社会が抱えるゆがみやひずみそのもの。不思議なことに、どんな絶望的な状況にある子ども達も、中本さんと触れあううちになぜか立ち直りの機会を見いだしていく。以下、中本さんの言葉。

感謝...「感謝しなさい」。そう言われても「感謝」の意味が分からない子供が多い。だから根っこから教えないと。

人として忘れてならないのは「感謝」「感激」「感動」「謙虚」(中本さんの言葉)

 以前「福泉だより」で紹介したNHKの番組制作ディレクター伊集院さんが、原爆に関わる取材で広島の校長先生と話した際に紹介されたのが、ばっちゃんこと中本忠子さん。伊集院さんは、8年間に渡り、中本さんとそこに集う子どもたちの言動を追い続けた。

 伊集院さんが最後にした質問『こんなに大変で感謝されない事もあるのに、なぜ続けられるのですか?』に対して、『子どもから面と向かって「助けて」と言われたことがない人には分からないんじゃないの?』さらりと言える中本さんは(すごい)。

 2017放送『ばっちゃん~子どもたちの立ち直る居場所』、是非、みてみたい。