自分自身、小⇒中⇒高、学校という場所を、なんとなく通過してきた。教師になって分かったことは、実は「学校という場所」について、何もわかっていなかったということ。
教師になって間もない頃のこと。(どう行動すればよいのか)考えても答えが出てこない。夜の職員室で、つい、同じ学年でクラス担任をされている先輩教員に相談してしまった。「校則が厳しくなることを生徒たちにどう伝えればよいか分かりません」
先輩教員は笑いながら言った。「片山さん偉いね。関わってきた人がよかったんだね。」
何を言われているのか分からなかった。先輩教員は言葉を続ける。「わかった...。私が自分のクラスで生徒に話をするから廊下にいなさい。」
次の日、先生が自分のクラスの授業の初めに生徒に語りかけるのを廊下から聞いた。
(見事だった)一点の翳りもなく事実を伝え、生徒たちの思いを吸い上げながら、先生の想いも伝えていた。(こりゃかなわない。真似なんぞできるはずもない)そう思った。
話が終わったと思っていたら、先生は生徒(と廊下の私?)に向けてこんな話を始めた。
「実は国語の片山先生もどうしたらいいのか悩んでる。ここは一丁、お前らも無い知恵を絞り校則について考えてみるべ。」「それからな、素直に人に相談するのって難しいこと。お前らだって、分かっていながら、突っ張って反抗するんだべ。人に相談する時は、一定自分の答えと考えをもっていなきゃいけない。だから片山先生は偉い。そんな先生に教えてもらっているお前らも偉いはずだ!」(???‥)
(ええーっ)と廊下で絶句してしまったことを思い出す。なんとも恥ずかしい思い出。