食堂にむかう廊下を歩いていると、ある言葉が視界に飛び込んできた。それは授業で生徒が制作した書道作品のひとつ。そこには、こう書かれていた。
(花も実もある)
意味は(外見が美しいだけではなく、内容も充実していること)
思わず立ち止まって見入ってしまった。
実は、この言葉は、平安時代の作品「源氏物語」の明石のくだりにも登場している。
今日は桃の節句。桃の花を思い、(花も実もある)とつぶやきながら食堂へと向かった。
【源氏物語 明石の巻より】←原文の出典は「古今和歌集」の夏の歌に収められています。
「五月(さつき)まつ 花たちばな 花も実も具(く)して押(を)し折(お)れる かを香りおほゆ」