演劇部が「新春高校演劇感謝祭2024」に出演

 1月5日(金)、6日(土)の2日間にわたり、富田林市にある「すばるホール」において、精華高等学校演劇部主催の「新春高校演劇感謝祭2024」が開催されました。

 本校演劇部は1月5日(金)の上演③14:40〜15:40において、第73回大阪府高等学校演劇研究大会大阪府大会での上演作品「パビリオン」(作:鈴木研太)を上演させていただきました。

 この「パビリオン」を上演するのはこれが最後になるだろうと聞き、ぜひとも観たいとの思いから、「すばるホール」まで行ってきました。小ホールで行われたこともあり、舞台と客席との距離がとても近く、一人ひとりの細かな表情までよく見ることができました。

 「パビリオン」は、万国博覧会に建てられた「未来ロボットパビリオン」の端にある、分身アンドロイド(パイロットが別の場所から遠隔操作するロボット)の準備室が舞台となっています。登場人物は4人で、うち3人が高校生設定の人間そっくりの分身アンドロイド(パイロット)、1人は研究活動の一環として分身アンドロイドのメンテナンスを行っている工学部の大学3回生です。

 準備室には3つのショーケースが置かれてあり、動作不良や充電が必要になった分身アンドロイドがそれぞれのケースに戻ってくることになっています。ショーケース内の充電台に立つとワイヤレス充電が始まり、充電中は首から下の部分が一旦リセットされるという仕組みです。また、アンドロイドには耳の下に電源ボタンがあり、長押しすることで完全に停止するようになっています。

 劇中で、このパビリオンには「未来たこ焼きロボット」があることが分かりました。なお、分身アンドロイドは、校外学習でやってきた小・中学生や高校生をはじめ、このパビリオンを訪れた来場者に対して、案内や説明を行うことが業務のようです。

 万国博覧会が始まってから約半年が経過し、終了まであと1週間という設定であり、準備室のシステムは両手を広げ「太陽の塔」のポーズをして、「ライトアップ、プリーズ」などの声をかけて動作させるのですが、反応しづらくなっているとともに、分身アンドロイドもバッテリーの減りが早くなってきているような状況でした。

 そのような設定の中、劇は大学生がギターを弾きながら、歌を歌う場面から始まりました。その歌っている大学生に対してショーケースに立っていた分身アンドロイドがまるで人間のように喋りかけてきたことに驚きを感じました。その後も、分身アンドロイド3体と大学生がお互いのことを気遣いながら声をかけあう場面が多くあり、最初は不思議な感覚でしたが、パイロット3名と大学生との人間ドラマが展開されていきました。分身アンドロイドなのに痛みを感じるという場面や、パイロットが不調になったり、トイレに行ったりすると、分身アンドロイドが固まってしまう場面など、ロボットであるとはいえ、まさしくパイロットの分身であることを認識しました。

 パイロット3名の個人情報は不明ですが、同じパビリオンで共に働く(バイトする)者どうしの思いやりや優しさ、それぞれが将来への悩みやしんどさなどを感じながら生きていることが十分に伝わってきました。

 大学生の話しの中に、今後、遠隔操作型の分身アンドロイドのみならず、自律型アンドロイドや半自律型アンドロイドも普及してくるだろうという言葉があったり、人手不足解消のために分身アンドロイドを使いたいという社長が現れたり、今後の未来を予測させるような話しが出てきたことも興味深かったです。

 演劇部の皆さんの演技力の高さにはとても感心しました。大学生のギターと歌のうまさにも感心しました。スクワットお疲れ様でした。また、充電中はじっと立っていたり、いきなりフリーズして固まっていたりなど、動くことができないというのは客席が近いだけに大変だろうなと感じました。スタッフの皆さんも、お疲れ様でした。

 劇に引き込まれ、あっという間の60分でした。富田林まで遠かったですが、行ってよかったです。また新たな演目に挑戦することになるのだと思いますが、次回作も楽しみにしています。現在の岸和田高校演劇部の勢いを今後も継続してもらいたいと願っています。

  

  

 

 

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