本校では、希望者を対象に夏休みを利用して「京大研究室訪問」と題して、主にOBOGの京都大学の先生方の研究室を訪問して、"より深い学問の世界を知る"、という企画を実施しています。
今回の訪問先は、理学研究科宇宙物理学専攻の田中貴浩教授の研究室です。
田中教授からは、宇宙が形成された過程について、宇宙初期には物質が存在せず真空のエネルギーのみがあったとする「インフレーション宇宙仮説」をもとに、ビッグバン発生の仕組みをご説明いただきました。また生徒からの事前質問にもお答えいただき、ブラックホールや宇宙膨張の法則、さらには遠方銀河の後退速度やエネルギー保存則が宇宙全体にはあてはまらないことなど、多岐にわたるテーマが取り上げられました。
「物理が支配する世界は、理論の力で直接見えない過去まで探ることができる」「宇宙論は理論的予言と観測の一致によって発展してきた」「何か不思議だと思ったとき、"そんなものだ"と片付けてしまえば探究はそこで止まる」といった田中教授の言葉は、生徒たちの心に響いたのではないでしょうか。
宇宙を対象とする理論研究がどのように行われているのか、その一端を垣間見る貴重な機会となりました。